コロナ禍の「応援消費」対飲食店30.7%、対生産者23.3%が経験2020年11月19日
リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、飲食店や生産者を支援する目的での「応援消費」の意識・実態に関するアンケートを実施。調査は10月1日~9日、首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女を対象に行われ、有効回答数は9994件。
コロナ禍で影響を受けている飲食店が多い中、新型コロナウイルスの感染拡大後に飲食店を支援する気持ちで飲食を行った経験があるかどうかを聞くと、全体で30.7%が「支援の気持ちから飲食を行ったことがある」と回答。「応援消費」の経験値が高かった年代は、女性では50代が34.5%で最も高く、男性では60代が33.0%で最も高かった。「今後行いたい」では、女性で60代が50.0%で最も高く、男性は50代が40.7%で最も高かった。「行ったことがある」と「今後行いたい」の合計値で見ると、男性より女性が「応援消費」に活発・前向き。また、各性別内で比較すると若年層よりも中高年層の方が前向きだった。
新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けた生産者を支援したい気持ちから、購入したことがあるか(全体/単一回答)
生産者への「応援消費」経験者は23.3%
生産者を支援する気持ちで産品を購入した経験があるか聞くと、全体では23.3%が「支援の気持ちから購入したことがある」と回答。「支援の気持ちから購入したことはないが、今後行いたい」と回答した人は51.1%に上った。「応援消費」の経験値が高かった年代は、女性では50代が30.0%で最も高く、男性は30代が23.6%で最も高かった。「今後行いたい」では、女性は20代が59.5%で最も高く、男性は50代が49.5%で最も高かった。「購入したことがある」と「今後行いたい」の合計で見ると、飲食店対象の場合と同様に、男性より女性が「応援消費」に活発・前向きであることが分かった。
飲食店へは「外食」、生産者へは「直販サイト」で
新型コロナウイルスの感染拡大後に飲食店・生産者を支援したい気持ちから行った行動は、対飲食店では、1位が「外食」(63.1%)、2位が「テイクアウト」(54.7%)、3位が「デリバリー」(19.4%)。20代男性で「外食」による支援が70.7%と多い他、20・30代男性で「デリバリー」「クラウドファンディング」といった回答も相対的に多かった。
一方、対生産者では、支援行動の1位が「直販サイトでの食材・加工品の購入」(35.0%)、2位が「生産地を訪れて購入」(15.5%)、3位が「直販以外のサイトでの購入」(8.5%)。 40・50代女性では「直販サイトでの食材・加工品の購入」が多かった。
対生産者は「野菜類」の購入が最多
実際に消費・飲食したメニュー、食材・加工品の品目について聞くと、飲食店からの購入・飲食では、1位が「和食」(52.3%)、2位が「洋食(パスタ、ピザを除く)」(33.9%)、3位が「中華料理(専門店のラーメンを除く)」(32.0%)。50・60代男性で「和食」が多く、20・30代男性で「中華料理(専門店のラーメンを除く)」が目立った。
また、生産者からの購入・飲食は、農産物は「野菜類」(38.9%)、畜産物は「牛肉・豚肉・鶏肉」(26.3%)、水産物は「鮮魚類」(20.5%)が、各ジャンル内で最多。50・60代女性では「野菜類」等、幅広い品目で他の性年代よりも多い割合で、生産者への「応援消費」の中心的な性年代であることが伺える。
生産者応援は「直販サイトで食材・加工品の購入」が中心
まだ「応援消費」を行ったことのない人が今後、飲食店・生産者に対して行ってみたい行動を聞くと、対飲食店は、1位が「外食」(64.0%)、2位が「テイクアウト」(50.2%)、3位が「デリバリー」(21.6%)で、3位までの選択肢がすでに行った人の行動と同じ順位。20~40代女性で「テイクアウト」を選ぶ人が多く、20代男性で「ふるさと納税でミールキット購入」や「クラウドファンディング」を選ぶ人が他の性年代より多かった。
対生産者では、1位が「直販サイトでの食材・加工品の購入」(53.6%)、2位が「生産地を訪れて購入」(24.3%)、3位が「自治体発行の地域限定の商品券・チケット等の購入」(18.3%)。
今後「応援消費」したい品目は「野菜類」
まだ「応援消費」を行ったことのない人が、今後飲食店・生産者を支援する行動で消費・飲食したい品目について聞いた。飲食店からの購入・飲食では、1位が「和食」(62.2%)、2位が「洋食(パスタ・ピザを除く)」(42.7%)、3位が「中華料理(専門店のラーメンを除く)」(42.4%)だった。20~50代女性で「デザート、スイーツ」を選ぶ人が多かった。
生産者からの購入・飲食では、農産物では「野菜類」(61.9%)、畜産物では「牛肉・豚肉・鶏肉」(46.1%)、水産物では「鮮魚類」(37.0%)が、各ジャンル内で最多。50・60代女性では「野菜類」購入希望が、30代女性では「畜産物」の購入希望が目立ち、生産者への「応援消費」の中心的な性年代になっている。
応援消費のきっかけは「テレビ等マスメディア」が最多
「応援消費」のきっかけとなった出来事について聞くと、1位は「テレビ番組やテレビCM等マスメディアから情報を得た」(48.7%)。2位は「インターネット広告から情報を得た」(19.3%)、3位は「もともと親交があった、よく通っていた生産者や飲食店から直接情報を得た」(16.1%)だった。
50・60代女性で「テレビ番組やテレビCM等マスメディアから情報を得た」が特に多い一方、20・30代女性では「SNSのリツイート等で間接的に情報を得た」人が他の性年代より多く、メディアへの接触状況の違いからか、世代によってきっかけとなったメディアも異なる結果となった。
動機は「消費者にもメリットのある価格」
「応援消費」を行った人に利用の動機を聞くと、1位が「サービス価格や特典等、消費者側にもメリットのある価格だった」(42.0%)、2位が「せっかく購入・飲食するなら、飲食店や生産者の助けになりたいと思った」(38.4%)、3位が「支援したい飲食店や生産者の経営を助けたいと思った」(32.7%)という結果。50代女性で「サービス価格や特典等、消費者側にもメリットのある価格だった」が特に多く、40~60代女性では「せっかく購入・飲食するなら、飲食店や生産者の助けになりたいと思った」と回答した人が多かった。男性よりも女性の方が多くの項目でスコアが高く、「応援消費」の実績・今後の意向同様に、支援に前向きな様子が分かる。
(画像)
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01:新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けた生産者を支援したい気持ちから、購入したこと
があるか(全体/単一回答)
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