農業生産者と消費者が自然エネルギーでつながる新サービス開始 電力シェアリング2020年12月7日
電力シェアリングは、みらい電力、ワラビ電力、TSUBU、河内椎茸園の4者の協力により、「ふるさと納税」の再エネ電力版といえる「ふるさとからの贈り物」サービス事業を開始。価値観を共有する全国の農家と消費者が、ブロックチェーンを活用したネットワークにより直接つながり、ともに地域で循環し共生する日本発のSDGsな社会の実現をめざす。
電力シェアリングは、環境省委託事業の一環として開発したブロックチェーンを活用した「環境価値」のリアルタイム取引システムとスマートフォン対応の専用アプリを用いて、みらい電力・ワラビ電力の再エネ料電気金メニューを選択する利用者に農産物など「ふるさとからの贈り物」サービスを提供する。環境価値とは、再生可能エネルギーを使うことで化石燃料を使わずに二酸化炭素を削減するという環境への配慮の度合いを定量的に表している。
みらい電力の利用者は、自然エネルギー設備で野菜や果物を育てている全国の農園の中から、専用のアプリで好きなものを選び、その農園から自家消費される環境価値を譲り受け、みらい電力は、利用者に代わって、電気料金の一部から応援のための寄付金をその農園に支払う。
利用者は、電気の使用量(寄付の金額)に応じてポイントが貯まり、応援している農園の野菜や果物、地域の名産品などの返礼品が届けられる。これまでも、電気を使う都市部の消費者が、地方部の再エネ発電者に電力会社を経由して寄付をする取り組みはあったが、同サービスでは、最新のブロックチェーン技術を用いているのが特徴。生産者が作り出す環境価値と消費者が使う電力をリアルタイムでマッチングし、正確に届けることが可能となった。
消費者は、専用アプリを使えば、誰が・いつ・どこで・どのように・どんな思いで環境価値を作り出しているかわかり、生産者は、誰が・いつ・どこで・どのように環境価値を消費しているかをリアルタイムに見ることができる。お互いに「いいね」や「ファボ・ボタン」を押しあって、電力会社を介さないP2Pで評価や交流することもできる。
消費者は、電力利用に応じてポイントが貯まるため、あとどのくらいで返礼品が届くのかがわかり、生産者は集まった寄付金額をリアルタイムで確認できる。
この仕組みにより、再生可能エネルギーの普及だけでなく、環境意識の高い農家が丹精込めて育てた野菜や果物を、返礼品として消費者に届けることで、農家と消費者が顔の見える形でつながりあえる「野菜のP2P」という農業の新しいかたちも発信していく。
自然エネルギーの力で山間部地域の農林業の発展をめざし、11月に三重県松阪市に設立されたワラビ電力や関東地方で農業を展開するTSUBU、河内椎茸園は、この仕組みのモデル事業者として、環境価値を作り出し、椎茸など地域の名産品を返礼品として提供する。
重要な記事
最新の記事
-
米農家(個人経営体)の「時給」63円 23年、農業経営統計調査(確報)から試算 所得補償の必要性示唆2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(1)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(2)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
変革恐れずチャレンジを JA共済連入会式2025年4月2日
-
「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日
-
JAみやざき 中央会、信連、経済連を統合 4月1日2025年4月2日
-
サステナブルな取組を発信「第2回みどり戦略学生チャレンジ」参加登録開始 農水省2025年4月2日
-
JA全農×不二家「ニッポンエール パレッティエ(レモンタルト)」新発売2025年4月2日
-
姿かたちは美しく味はピカイチ 砂地のやわらかさがおいしさの秘密 JAあいち中央2025年4月2日
-
県産コシヒカリとわかめ使った「非常時持出米」 防災備蓄はもちろん、キャンプやピクニックにも JAみえきた2025年4月2日
-
霊峰・早池峰の恵みが熟成 ワイン「五月長根」は神秘の味わい JA全農いわて2025年4月2日
-
JA農業機械大展示会 6月27、28日にツインメッセ静岡で開催 静岡県下農業協同組合と静岡県経済農業協同組合連合会2025年4月2日
-
【役員人事】農林中金全共連アセットマネジメント(4月1日付)2025年4月2日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年4月2日
-
【スマート農業の風】(13)ロボット農機の運用は農業を救えるのか2025年4月2日
-
外食市場調査2月度 市場規模は2939億円 2か月連続で9割台に回復2025年4月2日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」第2期募集開始 あぐラボ2025年4月2日
-
「八百結びの作物」が「マタニティフード認定」取得 壌結合同会社2025年4月2日
-
全国産直食材アワードを発表 消費者の高評価を受けた生産者を選出 「産直アウル」2025年4月2日
-
九州農業ウィーク(ジェイアグリ九州)5月28~30日に開催 RXジャパン2025年4月2日