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「労働者協同組合法案」成立を評価 声明文発表 生活クラブ連合会2020年12月7日

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労働者が自ら出資して事業も手掛ける協同組合組織を法制化する労働者協同組合法が11月4日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。生活クラブ生協連合会は、これを評価し声明文を発表した。

同連合会は、新型コロナウィルスの影響で社会・経済が疲弊し、就労を巡る状況がより悪化している今日、働きがいのある人間らしい仕事を共助によって地域で起こし、"ポストコロナ(コロナ後)"のよりよい地域社会を展望していく契機として、「労働者協同組合法」が役立つようにすべきと主張。そのためには新法成立を機に、政府は政府広報や学校教育(教育指導要領への反映)などを通じて、労働者協同組合をはじめ協同組合全体の認知度向上を図るとともに、労働者協同組合振興のための基本方針・政策を定めて必要な予算措置を執り、統計によって振興状況を点検し、基本方針・政策の強化を図っていくべきとし、「社会的連帯経済」の一翼を担う協同組合全体を振興していくために、政府は協同組合憲章を、国会は協同組合基本法を制定すべきとしている。

以下、全文。

「労働者協同組合法案」が国会で成立したことを評価します。
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会

私たち生活クラブは、約40万人の組合員が集う生活協同組合(生協)です。全国21都道府県に33の会員生協があり、当会はその連合会です。「私たちは、自然と共生し、食べ物(Food)、エネルギー(Energy)、福祉(Care)をできる限り自給・循環させる『サステイナブル(持続可能)な生き方』を選びます。いまを生きるいのちと次世代のいのちを、おなじように大切に考えて、すべての活動を行います。」という当会の「生活宣言」(ブランド・ステイトメント)のとおり、さまざまな活動に取り組んでいます。

私たちが取り組んできた活動の一つに、ワーカーズ・コレクティブ運動があります。ワーカーズ・コレクティブとは、「働く人たちの協同組合」です。生活クラブは1982年から、その設立や運営を支援し、事業や地域活動を通じて連携してきました。生活クラブの組合員をはじめ地域の人々が、暮らしのなかのニーズに応えるためにワーカーズ・コレクティブを設立して、地域でさまざまな業種の仕事を起こし、働くメンバー全員が出資し運営しながら働いています。全国組織「ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン(WNJ)」に所属しているワーカーズ・コレクティブは、計330団体を超え、7000人以上の人々が働き、出資金は約4億円、事業高は約130億円の規模です(2020年現在、WNJ調べ)

しかし、ワーカーズ・コレクティブのような協同組合を想定した法人格制度が日本にはなかったため、WNJは、日本労働者協同組合連合会(ワーカーズ・コープ)とともに、法制化を求める運動に取り組んできました。922の地方議会からも、この法律の制定を求める旨の意見書が国へ提出されています。(2019年3月現在)

この間、協同組合に対する国際的な認知と期待が大きく高まっています。国連総会は2012年を「国際協同組合年」と定めました。2015年には国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、17分野の目標・169のターゲットからなる「持続可能な開発目標」(SDGs)が合意されました。SDGsの達成にあたり役割を果たすべき民間セクターの一つとして、協同組合がこのアジェンダに明記されています。また、2016年にはユネスコ(国連/教育科学文化機関)が「協同組合の思想と実践」を無形文化遺産に登録しました。世界では12億人もの人々が協同組合へ参加しており、「働く人たちの協同組合」のための法制度を多くの国が持っています。

日本でも、延べ1億500万人超もの人々が協同組合に組合員として参加しています。業種は農林水産業・購買・金融・共済・就労創出・福祉・医療など多岐にわたり、協同組合が生み出す付加価値額は約5兆6千億円※2になります。今回の「労働者協同組合法」が成立によって、よりよい暮らしと持続可能な地域社会の実現を願い、より多くの人々が協同組合に参加する契機になるでしょう。

「労働者協同組合法案」の具体的な内容について、以下のとおり評価します。

▶法の目的に、「ディーセントワーク」(働きがいのある人間らしい仕事)の趣旨が明記されています。
▶認可ではなく、届け出(準則主義)によって設立することができます。
▶事業の種類が限定列挙されず、さまざまな事業を営むことができます。
▶小規模でも設立することができます。
▶企業組合・NPOからの組織変更および財産移管が可能です。

ただし、多様な業種に広がり規模もさまざまなワーカーズ・コレクティブを、この法律だけでは包摂しきれないため、この法人格を取得しない団体も多く発生することが予測されます。将来に向けて、より使いやすい法律に改正していくことが必要です。法案の具体的な内容についていくつかの課題が挙げられますが、これらについては、法の附則に5年後見直し規定を設けたことで、より使いやすい法へ改正していくための検討を継続すべきです。

▶働くことを目的に組合員になったにもかかわらず役割として代表理事(雇用者)の任に就いた場合、中小事業主として「労災保険特別加入」制度を利用して労災保険に加入することができますが、労働諸法令の内容に準じる保護の仕組みが不十分です。
▶働くことを目的に組合員になったにもかかわらず役割として監事の任に就いた場合、理事・使用人との兼職禁止規定により、働くことができなくなります。
▶株式会社、一般社団法人からの組織変更および財産移管が認められていません。
▶農林水産業系を除く他の協同組合法制にも共通の課題ですが、政治的中立規定は半世紀以上前の古い協同組合原則に基づく規定であり、最新の協同組合原則に照らして見直すべきです。

「協同組合は、組合員が管理する自治的な自助組織である。協同組合は、政府を含む他の組織と
取り決めを行なったり、外部から資本を調達する際には、組合員による民主的管理を保証し、
協同組合の自主性を保持する条件において行なう。」

▶この法律とは別の扱いとなりますが、小規模な事業体の設立・振興を支援するために、中小企業者等の法人税軽減税率特例等の各種税制優遇措置の永続化もしくは期間延長が必要です。

新法成立を機に、政府は政府広報や学校教育(教育指導要領への反映)などを通じて、労働者協同組合をはじめ協同組合全体の認知度向上を図るとともに、労働者協同組合振興のための基本方針・政策を定めて必要な予算措置を執り、統計によって振興状況を点検し、基本方針・政策の強化を図っていくべきです。また、「社会的連帯経済」の一翼を担う協同組合全体を振興していくために、政府は協同組合憲章を、国会は協同組合基本法を制定すべきです。

以上

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