約4割の生産者が売上減少 緊急事態宣言に関する生産者調査 ポケットマルシェ2021年1月12日
生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する(株)ポケットマルシェは1月6日〜7日、ポケットマルシェ登録生産者に対し、緊急事態宣言の発令が生産者の売上に及ぼす影響を調査。約4割の生産者は、2020年4月7日の緊急事態宣言の発令により売上が減少したと回答し、1月の緊急事態宣言再発令の影響を懸念する声も届いている。有効回答数は107件。
調査によると、2020年4月7日に緊急事態宣言が発令されたことにより、43.0%の生産者が、「売上が減少した」と回答。売上の減少理由として、飲食店の休業・時短営業やイベントの中止に伴う需要減などが考えられる。一方、33.6%の生産者が「売上が増加した」と回答した要因の一つには、在宅での食材購入の需要が増加したことによる、ポケットマルシェをはじめとするネット直販の売上増加があったことが推測される。
また、1月4日に緊急事態宣言再発令の方針が表明されたことによる影響や懸念としては、以下の回答があった。
「栽培している農産物の9割を業務用に卸しているので、外食産業が止まることで、単価安に陥り、売り上げが大幅減になることを懸念。現在、ゆずの価格が例年に比べ3割ほど値下がりしている」(高知県・農家)、「これから4月の宣言時と同じように養殖魚の出荷は減少すると思う。例年ではカンパチが約1000円/kgで取引されているが、現在すでに700円〜800円という状況。特に、1、2月は毎年魚が売れない時期なので先行きは不安。魚価が暴落し、さらに出荷量も減ると、餌代などを圧迫して資金繰りが苦しくなる」(宮崎県・漁師)、「ホテルや飲食店への納品が激減し、野菜自体が植わったままの状態が続いている」(兵庫県・農家)、「市場価格の下落が大きく、直売は来客減で売上が減少している」(栃木県・農家)
ポケットマルシェは、2020年4月7日に7都道府県を対象に緊急事態宣言が発令後、利用者数が急増。3月から4月は約1.8倍に、4月から5月は約1.6倍に増加した。背景には、外出自粛に伴う自炊の需要増があったと考えられ、7700人の消費者を対象に同社が実施した意識調査(2020年9月29日発表)では、半数以上がコロナ下で自炊が「増えた」と回答。その理由は、「感染を予防するために、自発的に外出を控えたため」と答えた人が約8割だった。
また、販路が縮小してしまった生産者から食材を購入する「応援消費」の動きが活発になり、2020年4月には単月売上1000万円以上を達成した登録生産者も現れた。同社の意識調査では、ポケットマルシェで食材を注文したきっかけとして、約半数が「新型コロナウイルスの影響で困っている生産者を応援したかったから」と回答している。
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