「鮮度の可視化と個別追跡管理」で食品ロス削減を検証 凸版印刷など五社2021年1月22日
凸版印刷、日本総合研究所、伊藤忠インタラクティブ、イトーヨーカ堂、三井化学の五社は、ネットスーパーと消費者の家庭における食品ロス削減に関する実証実験を実施。鮮度に応じた需要と供給で変動する価格が消費者にもたらす行動変容などの効果などを検証する。
実施の流れ
同実証実験では、RFIDタグやセンシングデバイスなどのIoTを活用することでeコマースを活用したフードチェーン上の食品情報を個体別に追跡管理。また、食品の鮮度情報は指標化されることで可視化され、食品流通業から消費者の家庭までの各過程で確認することで食品ロス削減への効果を測定する。
同実証実験は、経済産業省委託事業「令和2年度 流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(IoT技術を活用したスーパーマーケットにおける食品ロス削減事業)」に採択され、1月20日から2月9日まで東京都内で行われる。
実証実験では、IoT技術を活用した食品消費最適化の実現をめざし、全国各地の産地協力者、流通業者、小売業者、消費者の協力を得て、以下のテーマについて実施する。
◎実証実験のテーマ
1. 産地から消費者までのフードチェーン上での食品情報の個体別の追跡管理
産地での出荷から消費者が消費するまでのフードチェーン上において、食品情報の個体別の追跡管理(トレーサビリティ)が可能か検証。
2. 青果物流通におけるRFIDタグの活用
青果物は、流通時に商品形態が変化するという特有の課題のためにRFIDタグの適用(実証実験等)が他の食品に比べて遅れている。同実証実験では、これらのフードチェーン上で、青果物にもRFIDタグを利用し、個体別の追跡管理が可能か検証する。
3. 鮮度の見える化によるeコマースの売り上げ向上と食品ロス削減効果
食品の「鮮度」を指標化することによって可視化させ、その鮮度情報が消費者の購買行動に影響を与えるか検証。
4. ダイナミックプライシングによるeコマースの売り上げ向上と食品ロス削減効果
食品の販売価格について、可視化された鮮度に応じた変動を行う。食品の鮮度の状態に連動した適切な価格で販売することで、消費者の購買行動に影響を与えるか検証する。
5. 家庭内における食品ロスの削減
消費者自身が家庭内の食品在庫を日々管理できるようにすることが、食品ロスの削減をもたらすか検証する。
同実証実験は、SFC構想研究会の活動として実施。SFC構想研究会は、一般家庭における食品消費の最適化を実現するためのサービスのあり方やビジネスモデル、技術的な実現可能性など、フードチェーン全体の効率化を検討するために日本総研が2019年に設立した、民間事業者による研究会。消費者を起点に検討している点が特徴で、「消費の最適化を起点とし、サプライチェーン全体を最適化し、食品ロスを消滅する」をビジョンに掲げている。
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