食品トレーサビリティの市場規模 2025年には261億米ドルに到達予測2021年2月25日
(株)グローバルインフォメーションは2月24日、市場調査レポート「食品トレーサビリティの世界市場 (~2025年): 技術タイプ (RFID・バーコード・赤外線・バイオメトリクス・GPS)・ソフトウェアタイプ (ERP・LIMS・倉庫)・エンドユーザー・用途・地域別」の販売を開始した。
食品トレーサビリティの市場規模は2020年の168億米ドルからCAGR9.1%で成長し、2025年には261億米ドルに達すると予測。消費者の間で安全な製品への需要が高まっていることが市場を牽引すると予想される。アジア太平洋地域では安全な食品を求める多くの人々に支えられ、新型コロナウイルスの流行に起因する需要により、中国などを中心に市場は急速に成長すると予測されている。
牽引要因:食中毒の増加で健康被害が深刻化
食中毒は一般的に、病原体やマイコトキシンによる食品の汚染が原因で発生。サルモネラ菌やリステリア菌などの病原体が食品中に存在することは、微生物学的な安全性と食品の品質を損なうことになり、結果として食中毒を引き起こす。CDCによると、米国では毎年7600万件の食中毒が記録されており、32万5000件が入院を必要とし、5000人が死亡しているが、WHOによると、米州のWHO地域は、食中毒による影響が2番目に少ない地域であると報告されていう。
食品基準庁(FSA)によると、英国ではカンピロバクターが食中毒の最も一般的な形態。年間28万人が鶏肉のカンピロバクター汚染の影響を受けていると推定されている。2014年、英国では、金融庁の調査により、スーパーマーケットの鶏肉のほとんどがカンピロバクター菌に汚染されていたと報告された。
WHOによると、世界で毎年6億件近くの食中毒が発生しており、深刻な健康上の脅威につながる食品の安全性は、人々の大きな関心事。これが食品トレーサビリティの需要を牽引し、市場の成長にプラスの影響を与えると予測されている。
商業的なフードサービスは過去30年間で劇的に増加。広範な食品の取り扱いを必要とされ、食品を扱う人数が増え、食品の生産や流通の新たな方法など様々な変化が生まれている。これに伴い、食品を扱う人から消費者への食中毒感染が高まる可能性が高まり、結果として食品トレーサビリティシステムの需要を牽引している。
抑制要因:データ共有におけるプライバシーの問題
食品トレーサビリティは、原材料から最終消費者に至るまでのサプライチェーン全体を通じた追跡。バーコードやRFIDなど、サプライチェーンを通じて製品を追跡するため、高度な技術ベースのソリューションが必要となる。この機器は、製品のトレーサビリティのサポートに加えて、データ補足、記録、保存、加工、遺伝学、供給電力、疾病追跡に関するトレーサビリティ属性の共有や環境変数の測定などもサポートするが、これらの技術の実装には、RFIDタグに格納されたデータのプライバシーやセキュリティに対する不正アクセスや改ざんの懸念が含まれている。また、消費者は、RFID対応製品を購入した場合、自分が追跡される可能性があると感じ、プライバシーの侵害を懸念するようになることもRFIDによる脅威となる。データ共有に関する消費者と製造業者のプライバシー問題が食品トレーサビリティ市場の成長を阻害している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日