簡易設置・移動可能な一次電池駆動の危機管理型水位計 大村市で実証開始2021年3月25日
ベジタリア(株)の100%子会社でIoTセンサーを企画・開発する(株)イーラボ・エクスペリエンスは、長崎県大村市の佐奈河内川の護岸改良復旧工事現場で、業界最小サイズとなる一次電池駆動の危機管理型水位計の実証を始めた。広範囲かつ常に場所が移動する改良復旧工事で、簡単に移動できる水位の遠隔監視システムを設置。作業中の洪水被害を最小限に抑え、作業員と地域住民の安全を守る一助となることをめざす。
危機管理型水位計を設置
イーラボ・エクスペリエンスは、国土交通省が普及推進する、危機管理型水位計の課題となる「正確な水位の測定と確実な通信の実現」と「設置コストの低減化」をめざした自律型の危機管理型水位計を2019年から開発・提供している。
この危機管理型水位計は、省電力化と電池サイズのコンパクト化により、現在流通する製品より50%以上サイズダウンしたコンパクトな水位計システムで、場所を問わず約1時間程度の作業で容易に設置できる。また、省電力技術による電源制御や測定・通信技術など、各分野のリーディングカンパニーが培った技術を活用することで開発コストを抑え、従来製品の約半分の価格で提供する。
さらに、電池式の水位センサーやクラウド環境とビューアー、メール通知、センサーに蓄積されたデータを保存する機能(ロガー機能)など総合ソリューションを一元的に提供する。今後はロガー機能により蓄積されたデータと気象予報データと組み合わせ、より精度の高い洪水予測を行えるよう開発を進めている。
実証実験を行う2級河川 佐奈河内川は、令和2年7月豪雨の際、越水、破堤し農業関連施設や家屋の床上、床下浸水が200戸以上と甚大な被害が発生。長崎県によると、佐奈河内川は令和5年度完成を目指し、2級河川郡川との合流点からほぼ全区間約2.7kmを河川改修事業と災害復旧助成事業による大規模な改良復旧工事に着手している。改良復旧工事の場所は広範囲にわたり、常に移動するため、簡単に移動できる水位の遠隔監視システムの設置が効果的と考え実証する。
設置位置付近の洪水状況(長崎県提供、写真左)と
設置したFieldCamにて撮影された佐奈河内川
当該地域における降雨時の水位状況は、ネットワークに接続されたパソコン、タブレットやスマートフォンなどから確認できる専用ビューアーで、リアルタイムに把握できる。
なお、今回の実証実験には別途、屋外乾電池式IoTカメラ「FieldCam(フィールドカム) FC-1000」を設置し、荒天など現場に近づけない場合でも、離れた場所から正確かつ詳細に状況を把握できるシステムを構築した。
同実証実験では、台風や豪雨時における水位状況の把握と、スムーズな危険通知が行われるかを検証。また、降雨量と水位増加の相関関係による危険水位上昇の予測ができるか検証し、護岸改良工事期間中における水害防災にどの程度寄与できるかを把握。工事期間中の作業員および地域住民の安全確保の一助となることをめざす。
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