有機キノコ営農型太陽光発電で企業向けSDGs事業を提案 ハルカ社2021年4月12日
有機JAS菌床キノコメーカーの(株)ハルカインターナショナルは、菌床キノコの有機栽培と太陽光発電を組み合わせたソーラーシェアリング事業を開始。5月から香川県のモデル農場の立ち上げを皮切りに、参入希望の企業向けに事業提案を行う。
ハルカ社の有機JAS菌床シイタケとエリンギ
発電した電力は環境に負荷をかけない自然再生エネルギーとして、有機認証のキノコ栽培の加温などに活用できるため、寒冷地での栽培や栽培管理の平易化につなげることができる。
当面は、国内に製造工場などがある大手メーカーなどの参入を優先して受け入れる。製造工場周辺で、農地や耕作放棄地など余剰地が多い場所は、営農型太陽光発電の立地に好適な環境。また、発電した電力は隣接する工場用にも低コストで活用できるメリットがある。
環境省や農林水産省が営農型太陽光発電事業を支援する補助金も積極的に活用。農水省は、国連が提唱するSDGsの達成に向けて有機農業の新たな振興目標を明らかにしており、同社は企業の有機農林業参入によって、オーガニック食材の生産消費の拡大に寄与する機会づくりを図る。
参入希望企業には、同社独自方式の培養・栽培ハウスや菌床など専用資機材を提供し、早期の事業立ち上げと有機JAS認証の獲得をしてもらう。また、栽培事業だけでなく、事業立地など条件によっては、菌床製造のメーカーにもなってもらい、協業者によっては海外での事業立地も視野に入れている。
レトルトパウチ加工のキクラゲジェル
一方、ハルカ社は今冬開発した有機JASキクラゲのジェル加工品について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が募集している宇宙日本食の認証獲得に向けて申請準備を開始。ジェル加工品は、次世代型の開放型栽培と天日干しによってビタミンD含有量が高い有機認証キクラゲを原料にしている。ビタミンDの含有は、厚労省が一日あたりの成人の摂取目安量の3倍となる100g中25μg程度を確保できることから、紫外線によるビタミンDの生成が困難な宇宙空間で、ビタミンDやカルシウムなどの栄養価が確実に摂取でき、保存も容易な食品が求められている。宇宙ステーションや宇宙ロケットでの飛行士の健康維持が求められることから、過酷な宇宙空間でも比較的、機能維持が容易なキノコなど菌類は、培養や栽培など食材化する研究も進むと考えられる。
さらに同社は、岐阜県庁林政部や十六銀行などの支援を受けながら、生鮮キノコの海外輸出を今年度から開始。農水省が進める国産農産物の海外輸出にも寄与するため、今秋以降に有機JASシイタケをシンガポール市場に空輸する準備を始めた。企業ベースで本格的に生鮮キノコを海外輸出する取り組みは国内では初めて。また、乾燥シイタケについても東南アジアや欧米でも消費が増加傾向にあるため、有機JASの乾燥シイタケを、生シイタケの出荷と合わせて海外輸出を図る。
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