独自素材「加熱変性リゾチーム」で新型コロナの不活化を確認 キユーピー2021年6月22日
キユーピーは、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授と帯広畜産大学との共同研究により、卵白に含まれるタンパク質の一つ、卵白リゾチームを加熱して変性した「加熱変性リゾチーム」が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化することを確認した。
1%加熱変性リゾチームと20秒間反応させた新型コロナウイルスの力価:1%加熱変性リゾチームとの反応によりウイルス力価の低下が認められた
キユーピーグループは、国内の鶏卵生産量の約1割を取り扱う食品メーカーとして、卵に関する研究に取り組んできた。加熱変性リゾチームは、東京海洋大学との共同研究により、ヒトノロウイルスの不活化、新型ヒトノロウイルス(GII.17)の不活化とA型肝炎ウイルスの不活化を確認し、すでに発表している。
今回新たに発表した研究では、濃度1%の加熱変性リゾチームを用いると、新型コロナウイルスが20秒で99.5%以上と高い割合で不活化されることが分かった。新型コロナウイルスはアルコールによる不活化がすでに確認されているが、アルコールによる肌荒れやアレルギー反応、宗教上の制約などでアルコールを使えない場面もある。同社独自の製法で生成される加熱変性リゾチームは、こうした場面での環境衛生の改善に活用が期待できる。
共同研究者で国際医療福祉大学 医学部感染症学の松本主任教授は、「臨床の現場で、新型コロナウイルス対策はアルコール製剤が中心になっているが、口腔内や粘膜、荒れた皮膚などには繰り返して使用するのが難しい。この素材は鶏卵の抽出物で安全性も備えている点で、新型コロナウイルスの感染対策上の意義は大きい」と話している。今後は、変異株への不活化を検証するとともに、環境衛生の改善を中心に感染予防対策に向けた実用化の検討を行う。
0.25~1%の加熱変性リゾチームと5分間反応させた新型コロナウイルスの力価:加熱変性リゾチームとの反応により濃度依存的なウイルス力価の低下が認められた。
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