2人に1人は食べたことあり「大豆ミート」に関する調査 オレンジページ2021年6月30日
生活情報誌の「オレンジページ」は、「大豆ミート」についてインターネット調査を実施。その結果、認知度は約94.4%で、食べたことがある人も約半数にのぼり、じわじわと浸透してきていることが判明した。調査は4月24日~29日の期間、オレンジページメンバーズと国内在住の20歳以上の女性を対象に行われ、1420人から回答を得た。
「大豆ミート」、2人に1人は食べたことがある
大豆ミート料理研究家の坂東万有子さんによると、大豆ミートは、大豆から油分を搾油してできる脱脂大豆たんぱくを、加圧・加熱・乾燥させたもの。栄養豊富で食感が肉に近いことから、「第4の肉」「代替肉」と呼ばれている。認知度は、「よく知っている」「聞いたことがある」を合わせると94.4%と、かなり浸透しており、実際に大豆ミートを使った料理や総菜を食べたことがある人(自宅、外食合わせて)は約半数の47.6%だった。
また、大豆ミートは海外でも大流行。この十数年で、大豆ミートを含む代替たんぱく(植物肉・培養肉)の需用は大きく伸張。背景には、宗教上の理由で獣肉を食べない人や、ベジタリアンやビーガンが多いこと、近年の健康志向や環境問題への関心の高さなどがある。大豆ミートを含む代替たんぱくの世界の市場出荷額は、2020年は2500億円以上だったが、2030年には現在の7倍の1兆8000億円を超えると予想されている。
食べてみた理由は「健康によさそう」「話題になっているから」
大豆ミートを食べたことがある人をさらに深堀りすると、食べてみた理由の上位は、1位「健康によさそう」45.2%、2位「話題になっているから」43.6%。3位以下も「体にやさしい」「ダイエット・美容によさそう」が続き、「さっぱりしていて健康によさそう」(40代・パート)「カロリーも抑えられ、健康にもよくておいしい」(50代・フルタイム)など、ヘルシーな点に魅力を感じている人が目立つ。実際、大豆ミートはたんぱく質、食物繊維、ビタミン・ミネラルなど、さまざまな栄養をバランスよく含みながら、低カロリー、低脂質、コレステロールフリーで、近年、健康や美容を気にする人が罪悪感なく食べられる食品を指す「ギルトフリー」として注目されている。
一方、食べたことがない人(44.3%)の理由は、「売っている場所を知らない」「調理法がわからない」など。「肉と同じような栄養がとれるなら使いたい」(50代・パート)、「価格が安ければ買ってみたい」(40代・専業主婦)などの回答もあり、興味はあるが、まだ様子見という状況がみられる。
大豆ミートを食べた感想は、「肉のような食感でおいしい」という意見がある一方、パサつきやにおいが気になるという声も。坂東さんによると、にんにくやしょうが、スパイスなどの香辛料をきかせる料理や、しっかり味をつける料理なら、大豆特有の風味がやわらぐという。「初めてトライするなら、ひき肉タイプの大豆ミートがおすすめ。ミートソースやキーマカレー、餃子は香辛料もきいているので、おいしく仕上がります」(坂東さん)。
また、大豆ミートには、常温で保存できる乾燥タイプもあり、防災食としても注目。避難時は、おにぎりやパンなど炭水化物に偏りがちになるため、たんぱく質としてストックできる。
1kgの肉を得るには、4~11kgもの飼料用穀物、膨大な量の水を消費する。世界的に人口が増大するなか、飼料用穀物が不足し、畜産だけでは世界的な「たんぱく質不足」に陥ることが予想されることから、大豆ミートのような環境への負荷が少ない食の選択肢を増やすことが、社会課題の解決につなるといわれている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(139)-改正食料・農業・農村基本法(25)-2025年4月26日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(56)【防除学習帖】第295回2025年4月26日
-
農薬の正しい使い方(29)【今さら聞けない営農情報】第295回2025年4月26日
-
1人当たり精米消費、3月は微減 家庭内消費堅調も「中食」減少 米穀機構2025年4月25日
-
【JA人事】JAサロマ(北海道)櫛部文治組合長を再任(4月18日)2025年4月25日
-
静岡県菊川市でビオトープ「クミカ レフュジア菊川」の落成式開く 里山再生で希少動植物の"待避地"へ クミアイ化学工業2025年4月25日
-
25年産コシヒカリ 概算金で最低保証「2.2万円」 JA福井県2025年4月25日
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
【'25新組合長に聞く】JA新ひたち野(茨城) 矢口博之氏(4/19就任) 「小美玉の恵み」ブランドに2025年4月25日
-
水稲栽培で鶏ふん堆肥を有効活用 4年前を迎えた広島大学との共同研究 JA全農ひろしま2025年4月25日
-
長野県産食材にこだわった焼肉店「和牛焼肉信州そだち」新規オープン JA全農2025年4月25日
-
【JA人事】JA中札内村(北海道)島次良己組合長を再任(4月10日)2025年4月25日
-
【JA人事】JA摩周湖(北海道)川口覚組合長を再任(4月24日)2025年4月25日
-
第41回「JA共済マルシェ」を開催 全国各地の旬の農産物・加工品が大集合、「農福連携」応援も JA共済連2025年4月25日
-
【JA人事】JAようてい(北海道)金子辰四郎組合長を新任(4月11日)2025年4月25日
-
宇城市の子どもたちへ地元農産物を贈呈 JA熊本うき園芸部会が学校給食に提供2025年4月25日
-
静岡の茶産業拡大へ 抹茶栽培農地における営農型太陽光発電所を共同開発 JA三井リース2025年4月25日
-
静岡・三島で町ぐるみの「きのこマルシェ」長谷川きのこ園で開催 JAふじ伊豆2025年4月25日
-
システム障害が暫定復旧 農林中金2025年4月25日
-
神奈川県のスタートアップAgnaviへ出資 AgVenture Lab2025年4月25日