2020年度の食品添加物市場 コロナ禍で国内流通量は微減 矢野経済研究所2021年9月1日
矢野経済研究所は、国内の食品添加物市場を調査し、各カテゴリー別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
食品添加物は、食品の製造の際に味や加工のしやすさ、日持ちを向上させるなどの目的から添加される物質で、多くの食品に用いられている。2020年度の国内食品添加物市場(メーカー出荷ベース)は、流通量(甘味料、食品香料、品質改良剤、増粘安定剤、食品色素、乳化剤、酸味料、栄養強化剤、保存料・日持向上剤、酸化防止剤の10品目計)を287万4000トン、市場規模(10品目に酵素を加えた11品目計)が8043億2700万円と推計した。
2020年度はコロナ禍による外出自粛の影響などから、主に飲料や業務用食品、土産用の菓子、水産加工品の生産が減少。それらの製品向けの食品添加物の需要が減少したため、甘味料や食品香料、乳化剤、保存料・日持向上剤など多くのカテゴリーで流通量が減少し、2020年度の食品添加物の流通量は微減で推移した。一方、トウモロコシやローカストビーンガムをはじめとした原料価格の高騰の影響もあり、2020年度の食品添加物市場規模は微増となった。
国内の食品添加物メーカーは、事業を安定的に継続するため、原料を持続的・安定的に調達することが重要。そのため、価格高騰した原料から調達のしやすい原料への切り替えの検討、原料を調達する生産地の確保、より効率的に生産するための設備投資、あるいは合成原料への切り替えをユーザー企業にすすめるなど、様々な取り組みが行われている。
食品添加物市場におけるコロナ禍の影響
2020年度の食品添加物市場はコロナ禍により消費者の行動が変わったことで、カテゴリーにより明暗が分かれた。外出自粛により自動販売機やCVS、飲食店での飲料販売が落ち込んだことで、甘味料や酸味料としてお茶など清涼飲料に添加されるビタミンCなどの需要が落ち込むことになった。また、飲食店の営業自粛や時短営業により、業務用食品向けの食品添加物の販売が全般的に落ち込んだ。その他、観光産業が低迷したことで、土産菓子向けの甘味料や食品色素などの需要が減少した。
一方で、巣ごもり需要に対応した家庭用の簡便調理品、麺類やパン、大容量の菓子、コンビニスイーツなどの用途向けや、家飲みを受けて伸長した家庭用酒類用途の食品添加物は好調だった。また、コロナ禍により健康志向はますます高まり、特に免疫向上が期待できるビタミン類、栄養強化剤の需要が高まった。
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