外食・中食売上は2019年同月比19.9%減 7月の市場動向 NPDジャパン2021年9月8日
エヌピーディー・ジャパンは9月7日、外食・中食市場2021年7月の動向分析レポートを発表。新型コロナウイルスの影響で、7月の外食・中食市場は、2019年7月比で売上が19.9%減少し、前月比は7.7ポイント増だった。
外食・中食市場全体の7月の2019年同月比(図表1)をみると、売上(金額市場規模)が19.9%減少、客数(食機会数)が13.0%減少。新型コロナウイルス感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模41.9%減だった。
2020年10月には8.9%減まで回復したが、その後の感染拡大で再び悪化。2021年は1月26.3%減、2月24.4%減、3月21.9%減、4月23.7%減、5月26.3%減、6月は27.6%減で、2020年6月以降で最も悪化したが、7月は19.9%(いずれも2019年同月比)と、前月に比べて7.7ポイント改善した。
この要因は、7月は第4回緊急事態宣言の発令が沖縄と東京のみだったことに加え、前年同月は学校の夏休み短縮やレジャーの自粛や閉鎖により夏休み需要は見込めなかったが今年は、学校は通常通り夏休みがあり、レジャー施設や海水浴場などの閉鎖がない地域も多かったこと。また、7月1日~11日は東京都でも酒類提供が可能(人数や時間の制限付き)だったこと、酒類の提供可能な地域や時間も通常営業となった地域もあったことが改善の要因となった。
全業態計イートインは42.7%減 前月より8.3ポイント増
業態別・利用形態別の7月の売上2019年同月比は、外食・中食全体のイートインは42.7%減で、前月より8.3ポイント増。業態別では、FF+セルフカフェのイートインは同33%減、ファミレスのイートインは同36%減、居酒屋のイートインは同73%減、その他のフルサービスレストランのイートインは同43%減だった。テイクアウト・出前は、FF+セルフカフェで同65%増と、17カ月連続の2桁成長となった。
デリバリーは181%増 コロナ渦2番目の大きな伸び
外食業態計(レストラン計)の売上2019年同月比の利用形態別では、出前(デリバリー)の大幅増が続いている。2020年4月は28%増、5月は204%増、6月は104%増、7月は75%増、8月は23%増、9月は44%増、10月は39%増、11月は68%増、12月46%増、2021年1月は81%増、2月132%増、3月46%増、4月49%増、5月は159%増、6月は95%増。また、7月は181%(いずれも2019年同月比)と、2020年2月以降で最高の2020年5月に次いで2番目の大幅増だった。
エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストの東さやか氏は、今後の展望について「第5波では、これまでのレベルをはるかに超える感染者増大と、緊急事態宣言対象地域の拡大で、市場は後退、市場回復への期待が遠のいた状態。ワクチン接種のみで感染終息はせず、コロナ前と同じ生活へ戻るめどは立たないため、ニューノーマルに対応することが改めて必要なフェーズになりつつある。今後もコロナ禍における多くのトレンドは継続が見込まれ、デリバリー、テイクアウト、1人喫食、キャッシュレス、テレワーク需要などについては、引き続き対応・強化することで、アフターコロナまで見据えた施策となると考えられる」としている。
すみ
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