エネルギー基本計画(案)へのパブリック・コメント提出 生活クラブ2021年9月21日
生活クラブ生協連合会は9月10日、経済産業省資源エネルギー庁が公募中の「エネルギー基本計画(案)」へパブリック・コメントを提出した。
生活クラブとその関連団体が連携して建設した「庄内・遊佐太陽光発電所」。2019年に山形県遊佐町で稼働
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、8月に公表した報告書で「地球温暖化の原因は人間の活動によるもの」と断定した。また、同報告書では産業革命前と比べた世界の気温上昇が2021~40年に1.5℃に達するとの予測を公表している。
大雨、干ばつなどの気候危機のニュースが絶えず、危機的状況がとどまる気配を見せないこの時に、国のエネルギー基本計画の改定は重要。生活クラブは、気候危機を止め、今も、この先も人が人らしく自然とともに生きられる社会の実現を見据え、当改定案に対しパブリック・コメントを提出した。
生活クラブは、以下を含めた計15の意見を提出した。
◆再生可能エネルギーを2050年における主力電源として最大限の導入に取り組むとしたことに賛同する。
◆しかし、原子力発電の目標を実現不可能な20~22%に据え置いたこと、火力発電を41%、特に石炭火力発電を19%と残したことは見直しが必要である。
◆気候危機を回避するために、世界で取り組む 2050 年カーボンニュートラルに向けて、バックキャスティングから再生可能エネルギー100%に向けた政策を提案すべき。
また、エネルギー政策は多くの市民にとって暮らしと密接に結びついた大きな関心事であるため、改定案の7番目「国民各層とのコミュニケーションの充実」に対しても、「情報公開と市民参加を促進する積極的な政策」を求めた。
生活クラブは、チェルノブイリ原発事故で原発の巨大なリスクを目の当たりにしたことに端を発し、東京電力福島第一原子力発電所事故で明らかになった、原発の危険性を地方に押し付けてきたことへの深い反省から、同組合員自らがエネルギー問題を「じぶんごと」としてとらえ、その自給に取り組んできた。チェルノブイリ以来、35年の年月をかけ、現在では自前で太陽光、風力など再生可能エネルギーの発電所を建設。そこで発電された電気を共同購入しており、主張とともに、再生可能エネルギーをつくり・使う輪を広めている。
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