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穂の白いオオムギ突然変異体で光合成能力を測定 新品種の開発に期待 岡山大学2021年11月1日

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岡山大学の研究グループは、遺伝子解析により、オオムギの穂が白いalm1突然変異体は、葉緑体の発達を制御するGolden2-like2 (GLK2)転写因子をコードする遺伝子の異常によることを解明した。同研究から穂の光合成能力を高め、多収量で品質の優れた新品種の開発に役立つことが期待される。

正常なオオムギの穂〔緑色〕(左)とalm1突然変異体の穂〔白色〕正常なオオムギの穂〔緑色〕(左)とalm1突然変異体の穂〔白色〕

オオムギには穂が葉緑素を欠き白くなるalm1突然変異体があることが、60年以上前に岡山大学・農業生物研究所の高橋隆平教授により報告されていた。正常なオオムギの穂は緑色で、光合成をするとみられているが、遺伝子の実体は不明だった。

今回、同大の資源植物科学研究所の武田真教授と坂本亘教授による共同研究グループは、遺伝子解析により、オオムギalm1突然変異体はGOLDEN-2-LIKE(HvGLK2)転写因子遺伝子の異常によることを解明した。さらに、オオムギのalm1突然変異体を活用し、穂の光合成活性を測定したところ、正常な緑色の穂をしたオオムギに比べ、穂が白いalm1突然変異体では、穂の光合成は34%低下。これにより種子の重さが15.8%低下したことから、オオムギでは穂の光合成が種子の登熟に重要とわかった。

今回の研究から、オオムギではHvGLK2転写因子の遺伝的な改変により、穂の光合成能力を高め、収量が多く、品質の優れた新品種の開発に役立つと期待される。

同研究成果は7月18日、「Plant and Cell Physiology」に公開された。

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