地震時の危険度予測精度がAIで向上「ため池防災支援システム」農研機構2021年11月9日
農研機構は、地震時にため池堤体の想定沈下量を算定し、決壊など危険度を予測・表示する「ため池防災支援システム」に、AIで地震時のため池危険度の予測を補正し、予測精度を向上する手法を開発した。地震発生後のため池の緊急点検や安全対策のより効果的な実施が期待される。
ため池堤体。決壊すると貯水が一気に流れ出す
地震時の揺れによって、ため池の堤体が沈下したり崩れたりして決壊すると、貯水が一気に流れ出し、大きな被害が生じるおそれがある。農研機構が開発した「ため池防災支援システム」は、地震・豪雨時にため池の決壊などの危険度を予測し、ため池管理者等による迅速な点検や適切な初動対応に活用できる。
「ため池防災支援システム」では、力学的な解析手法である地震解析を用いて地震発生直後に計算されたため池堤体の想定沈下量と、ため池ごとに設定された堤体の許容沈下量を比較することで、危険度を表示。これまで、想定沈下量の解析は、データの蓄積が十分でなかったことから安全側に算定し、実際には安全なため池が危険と判定される事例が多かった。
農研機構は、過去の地震時におけるため池被災情報を基に、AIの一種である機械学習を用いて地震解析で計算された沈下量を補正し、精度向上を図る手法を開発した。具体的には、新たに機械学習から求められる被災程度と従来の解析から求められる被災程度の大小を比較。相違がある場合に、機械学習による判定結果に近づくように地震解析によって計算される沈下量を補正することで、ため池危険度の予測精度が向上する。
同手法の導入により、ため池の点検等のより効率的な実施が期待される。例えば2020年3月13日に石川県で発生した地震において、補正前では「被災大」と判定したため池は5か所あったが、この手法による補正後では1か所に減少した。緊急点検の結果、実際にはため池の「被災大」は発生しておらず、予測精度の向上が見られた。ここ2年間で発生した震度5以上の地震のほぼすべてで、同様の精度の向上が確認されている。この手法は、近く、「ため池防災支援システム」への実装を予定している。
「ため池防災支援システム」による補正結果
重要な記事
最新の記事
-
本日10日は魚の日 お得な「おさかなBOX」など100商品を特別価格で販売 JAタウン2025年12月10日 -
坂もの野菜祭り「三嶋大根祭り」20日に開催 JAふじ伊豆2025年12月10日 -
物価高騰対策 農・商工業者向け25%プレミアム付き電子クーポン発行 茨城県境町2025年12月10日 -
新時代の米づくりアワード「節水栽培米グランプリ」受賞者を発表 NEWGREEN2025年12月10日 -
島崎遥香も登場 狭山茶の魅力に迫る「埼玉逸品トークショー in バーチャル埼玉」開催2025年12月10日 -
第1弾は栃木県産とちあいか「果汁グミSpecial」新登場 期間限定発売 明治2025年12月10日 -
「節匠削匠鰹本枯節」大日本水産会会長賞 受賞 マルトモ2025年12月10日 -
野菜ソムリエプロ・緒方湊氏と連携「亀岡野菜」魅力発信プロジェクト始動 京都府亀岡市2025年12月10日 -
評価済200圃場の80%でバイオスティミュラントの費用対効果を確認 AGRI SMILE2025年12月10日 -
脱炭素型農業と農家支援の強化へ JA新しのつ等4者で包括連携協定 フェイガー2025年12月10日 -
親子で有機にふれて楽しむ「たんばオーガニックフェア2025」開催 兵庫県丹波市2025年12月10日 -
山形養豚生産者が伝える産地の今 全国リレー交流会開催 パルシステム埼玉2025年12月10日 -
埼玉県吉川市と「包括連携協定」締結 カインズ2025年12月10日 -
共同事例を公開 養液土耕から隔離栽培への移行プロセスを整理 ココカラ2025年12月10日 -
ヤンマーから営農型太陽光発電建設工事を受注 スマートブルー2025年12月10日 -
パルシステム若者応援基金 児童養護施設で暮らす「普通の子ども」の今を報告2025年12月10日 -
ココトモファーム「ノウフク・アワード2025」でグランプリ受賞2025年12月10日 -
「赤村有機農業まつり」開催「有機野菜のジェラート」を販売 グリーンコープ生協ふくおか2025年12月10日 -
「みどりクラウド らくらく出荷」JAひろしまの取組が農水省・物流事例に選出 セラク2025年12月10日 -
「ふくおか農林漁業 新規就業セミナー&個別相談会」開催 福岡県2025年12月10日


































