日本のチーズ2工房がスーパーゴールド受賞「World Cheese Awards 2021」2021年11月10日
スペイン・オビエドで11月3日に開かれた「World Cheese Awards 2021」で、日本のナチュラルチーズ工房「アトリエ・ド・フロマージュ」(長野県)の「翡翠」と「ニセコチーズ工房」(北海道)の「二世古 椛【momiji】」がスーパーゴールドを受賞。“ジャパンチーズ”の品質と魅力、国際的な競争力を世界市場に向けてアピールした。
スーパーゴールドを受賞した「アトリエ・ド・フロマージュ」の「翡翠」
「World Cheese Awards」は、世界各国から多種多様なチーズが集まる権威あるチーズ・コンペティション。33回目の今年は45か国から4079のチーズがエントリーした。日本のナチュラルチーズは25工房から37品が出品。その中で「アトリエ・ド・フロマージュ」が出品した「翡翠」と「ニセコチーズ工房」の「二世古 椛【momiji】」がスーパーゴールドを受賞した。
「アトリエ・ド・フロマージュ」の「翡翠」は、「外皮がめずらしく、クリーミーで牛のミルクのわりに口どけが軽い」点が高く評価され、スーパーゴールドを受賞した全88品の中から、さらに世界ベスト16に選出。2019年のイタリア大会では「チーズ工房 那須の森」(栃木県)が出品した「森のチーズ」がスーパーゴールド・世界ベスト16に選出され、"ジャパンチーズ"に大きな注目が集まった。今大会では2品がスーパーゴールドを受賞し、"ジャパンチーズ"は2大会連続受賞の快挙を成し遂げた。
このほか日本からエントリーしたチーズは、ゴールドラベル5品(スーパーゴールド受賞の2品含む)、シルバーラベル3品、ブロンズラベル6品が受賞するなど大きく健闘。世界に向けて"ジャパンチーズ"の認知拡大に貢献した。
「World Cheese Awards 2021」審査の様子
審査は、世界各国から集まった4079品のチーズが審査会場のテーブルに一斉に並べられ、約250人の審査員による一次審査が早朝からスタート。各テーブルの中から、ゴールドラベル(金賞)、シルバーラベル(銀賞)、ブロンズラベル(銅賞)に相当するチーズを決め、最後にゴールドラベルの中から、スーパーゴールド88品が選出され、一次審査が終了した。
さらに、16人の特別審査員による最終審査では、一次審査でスーパーゴールドに選出された88品のチーズから、「アトリエ・ド・フロマージュ」の「翡翠」を含む16品のチャンピオン候補に絞り込まれた。最後はステージ上で、プレゼンテーション形式の審査が行われた。特別審査員は、チャンピオンチーズの候補として選出されたチーズの良さについて説明、他の特別審査員はその選出理由を聞きながら試食し、採点。特別審査員の合計点で最高得点を出したスペイン・アンダルシアのチーズ工場「ケソス・イ・ベソス」の「オラヴィディア」が今年のチャンピオンチーズに選ばれた。
スーパーゴールドを受賞した「翡翠」は、力強さを表現しながらも後味に残るまろやかなうま味が絶妙なバランスで、チーズ通もうならせるおいしさ。受賞したアトリエ・ド・フロマージュの塩川和史さんは「翡翠は力強さのあるブルーチーズ。海外を意識して作り、そこに日本的な柔らかさを加えた。そこが認められてうれしいし、工房の技術向上やこれまでの取り組みが認められ安心した。この成果を応援してくださっているお客様に還元していきたい」とコメントした。
スーパーゴールドを受賞した「ニセコチーズ工房」の「二世古 椛【momiji】」
同じくスーパーゴールドを受賞したニセコチーズ工房の「二世古 椛【momiji】」は、20種類以上のチーズを作る職人の技と、質の高い地元ミルクが調和したチーズ。天然色素で色づけされ、2年間の熟成が濃厚なうまみを生み出し、まろやかな甘みとともに口の中に広がる。同工房の近藤裕志さんは「父親が始めた工房で、一緒にチーズを造りながら腕を磨いてきた。今回スーパーゴールドを受賞し世界に認められたことがうれしい。普段から造っているチーズと何ら変わりないものを出品して受賞できたことは自信につながるし、日本のチーズがここまで行けるということを証明できた。これからも日本のチーズはもっとおいしくなる」と話している。
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