有機農業市場 2027年に1838億米ドル規模到達見込み2021年11月15日
グローバルインフォメーションは11月8日、市場調査レポート「有機農業の世界市場 - 動向分析、競合市場シェア、予測:2017年~2027年」(Blueweave Consulting & Research Private Limited)の販売を開始した。
有機農業市場は、2020年には961億米ドル規模に達した。予測期間(2021年~2027年)における年平均成長率(CAGR)は9.8%で、2027年には1838億米ドルに達すると予測されている。この市場は、有機食品の需要の増加、持続可能な農業の重要性の高まり、発展途上国における食品の不純物混入率の上昇などの要因によって牽引されている。また、世界の有機農業市場の成長に貢献しているその他の要因としては、農場や農業システムの研究開発への投資や、地球温暖化や気候変動への懸念の高まりなどが挙げられる。
基本的に有機農業は、合成肥料や農薬、遺伝子組み換え種、抗生物質、成長刺激ステロイドなどの人工的な化学物質を使わずに、作物や動物などを生産すること。農家は、肥料やその他の化学物質の代わりに、カバークロップ、緑肥、動物性肥料、輪作などを用いて土壌を肥やし、生物活性を最大限に高め、長期的な土壌の健康を維持する。雑草、昆虫、病気から作物を守るために、生物学的制御、輪作などの技術が用いられる。
市場の成長要因
1.持続可能な開発の重要性の高まり
持続可能な開発と健康的な食生活への関心の高まりを受けて、有機食品への需要は日々高まっている。有機農業は、難分解性で有害な農薬が環境に流入するのを年間5億ポンド防ぐことができると、Organic Trade Associationは報告。イギリスの環境・食料・農村地域省によると、有機農法による作物や酪農は、従来の作物や酪農に比べてエネルギー消費量が35%〜74%少ないとされる。さらに、有機農業は窒素の流出による汚染を減らし、環境を保護。健康的な土壌形成と二酸化炭素排出量の削減は、上述の要因と相まって、世界の有機農業市場の成長を支えている。
2.発展途上国での不純物混入率の上昇
食品の不純物混入率の高まりにより、消費者が安全な食品を摂取することが難しくなっている。この問題は、厳格な対策がほとんどない発展途上国でより多く発生。FSSAI(インド食品安全基準局)が2018年から2019年にかけて収集した食品サンプルによると、28%が混入物と確認された。市場における粗悪品の増加という問題に取り組むために、FSSAIは2006年に成立した食品安全基準(FSS)法に新たな項目を加えることを提案しており、FSSAIのこの動きは問題の深刻さを示している。その結果、都市部の人々が有機的な食生活に切り替え、有機製品の需要が高まり、有機農業市場の成長を促進している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日