おいしさと栄養価を向上「玄米由来の食品素材」開発 東洋ライス2021年11月26日
東洋ライスは創立60周年社会事業として、国民の健康に寄与し医療費削減を図るため、小麦粉やそば粉使用の加工食品に入れることで「おいしさと栄養価」を向上できる、コメ由来の食品素材(仮称:玄米エッセンス)を開発した。全ての食品で健康を図れるSDGs活動として、同社の100億円基金から食品メーカーや学校給食などへ多角展開を計画している。
玄米エッセンスは、これまで同社が培ってきた「玄米の要部を残す・抽出する」技術を応用したもので、玄米から亜糊粉層を中心とした栄養とうま味の宝庫の部分を抽出した粉体。コメの生薬機能を摂取できるうだけでなく、小麦市場で広く使われるようになった場合の需要に応えられる生産量も確保できる。素材の"濃度"も調整可能で、食品ごとに合わせた調合が可能。金芽米エキスのような特殊な玄米を原料とせず、従来の玄米から抽出できるため、コストも抑えられる。
これまでの実験では、パンの原料となる小麦に約5%入れることで、栄養価の向上を実証。また、従来は、添加物を加えることによる栄養価アップには弊害として、苦み、エグ味が生じるなど食味が低下したが、玄米エッセンスの場合、素材の味はそのままキープし、甘みなどを向上させることもできる。
今後、玄米エッセンスの展開として、同社独自で玄米エッセンス入り食品を開発し、OEMを含む製造や販売を行う。また、SDGs事業の推進にあたり、玄米エッセンスを食品メーカー・外食産業・学校給食・コメ産地などに提供するなどの展開を計画。食品メーカーなどに提供する展開は、試販に使う玄米エッセンスの費用も、東洋ライス社会事業の一環である100億円基金から搬出し、事業を加速させる。
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