精密農業市場 2026年までに109億3千万米ドル規模到達見込み2022年1月14日
グローバルインフォメーションは1月12日、市場調査レポート「精密農業の世界市場 (2020-2026年):用途・製品・国別」(BIS Research Inc.)の販売を開始した。
精密農業市場は、農業を正確で精密に行うために採用される手法と定義され、人工知能の利用、センサー、ドローン、ロボット、自動化されたハードウェア、テレマティクス、ソフトウェア、自律走行車などの幅広い技術が含まれる。例えば、GPSは衛星から位置情報を受信し、畑の座標に基づいて農家のトラクターを制御するために使われる。
同レポートによると、世界の精密農業市場は、2021年から2026年の予測期間中に14.8%の年平均成長率(CAGR)で成長し、2026年までに109億3千万米ドル規模に達すると予想。市場の成長率は、世界的な食糧需要の増大に対応するための農業生産量の増加につながるため、精密農業サービスに対する政府の取り組みが世界的に活発化していることが背景にある。精密農業技術は、作物の収穫量を増やし、無駄を省き、食料安全保障を確保するため、世界中の農家で採用されており、世界の精密農業市場の成長が加速している。
新型コロナウイルスの精密農業市場への影響
精密農業市場は、新型コロナウイルスの影響で世界各国でロックダウンが実施されたため、サプライチェーンも寸断され、農業に必要な機器やその他の投入物が不足した。このため、企業はリモートセンシングやその他の農業管理ツールの利用に注目しており、これにより精密農業の導入が促進される可能性がある。
市場区分:アプリケーション別
精密灌漑は、作物が必要とする水量を評価し、先進的なシステムを導入することで、作物の健康を促進し、栄養、化学物質、水の浪費を削減する革新的な手法。センサーやドローンを使って収集したデータに基づいて、灌漑のスケジュールを立てることができる。また、利用可能な土地資源を無駄にすることなく、適切な時期に適切な場所で植物や作物に適切な量の水を供給することも含まれる。
畑作物による精密農業市場
畑作物は、農業界が日々の収入を得るために主に注目している伝統的な農作物の主流。これらの作物は、大規模な消費を目的として栽培される。果物や野菜の生産には、手作業での収穫や個別のケアが必要だが、畑作物は一般的に大量に加工される。
市場区分:技術別
誘導技術は、主に全地球測位システム(GPS)と全地球測位衛星システム(GNSS)の技術で構成されており、農業分野ではナビゲーションを目的として利用されている。ナビゲーションは衛星を介して行われ、受信機やユーザーに信号を送り、農場の位置に関する正確な情報を提供。こうした機器は、効率的な作物モニタリングを可能にする。また、GPS/GNSS機器およびソフトウェアサービスは、自動記録管理、車両ナビゲーション、車両間通信などの用途にも使用できる。
市場区分:ソリューション別
精密農業ソリューションのハードウェアシステムは、自動化・制御システム、センシング・ナビゲーションシステム、およびスマートスプレーやスプリンクラーなどのその他の機器に大別される。ハードウェアソリューションは、ディスプレイ、GPS/GNSSデバイス、携帯型モバイルデバイスなど、さまざまなタイプのツールやデバイスで構成される。
市場区分:地域別
北米は、世界的な食糧需要の増加に対応するため、新技術をいち早く導入してきた。精密農業技術の中心地である米国を筆頭に、先進的な精密農業のマーケットリーダーや貢献者が多く存在。過去20年間で、精密農業の手法は、地域の農家が農作業を容易にし、高品質の作物を生産するために徐々に採用されてきた。この地域の農家は、技術革新の導入に前向きになるよう、十分なトレーニングを受けている。
市場の競合状況
世界の精密農業市場における主な企業は、AGCO Corporation, CLAAS Group, CNH Industrial N.V., John Deere, Hexagon Agriculture, Kubota Corporation, TeeJet Technologies, The Toro Company, Topcon Corporation, Yanmar Co. Ltd.、マイクロソフト株式会社、AGRIVI、BASF SE、グラニュラー社、IBM社などが挙げられる。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】農水省(4月21日付)2025年4月21日
-
シンとんぼ(138)-改正食料・農業・農村基本法(24)-2025年4月19日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(55)【防除学習帖】第294回2025年4月19日
-
農薬の正しい使い方(28)【今さら聞けない営農情報】第294回2025年4月19日
-
若者たちのスタートアップ農園 "The Circle(ザ・サークル)"【イタリア通信】2025年4月19日
-
【特殊報】コムギ縞萎縮病 県内で数十年ぶりに確認 愛知県2025年4月18日
-
3月の米相対取引価格2万5876円 備蓄米放出で前月比609円下がる 小売価格への反映どこまで2025年4月18日
-
地方卸にも備蓄米届くよう 備蓄米販売ルール改定 農水省2025年4月18日
-
主食用МA米の拡大国産米に影響 閣議了解と整合せず 江藤農相2025年4月18日
-
米産業のイノベーション競う 石川の「ひゃくまん穀」、秋田の「サキホコレ」もPR お米未来展2025年4月18日
-
「5%の賃上げ」広がりどこまで 2025年春闘〝後半戦〟へ 農産物価格にも影響か2025年4月18日
-
(431)不安定化の波及効果【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月18日
-
JA全農えひめ 直販ショップで「えひめ100みかんいよかん混合」などの飲料や柑橘、「アスパラ」など販売2025年4月18日
-
商品の力で産地応援 「ニッポンエール」詰合せ JA全農2025年4月18日
-
JA共済アプリの新機能「かぞく共有」の提供を開始 もしもにそなえて家族に契約情報を共有できる JA共済連2025年4月18日
-
地元産小粒大豆を原料に 直営工場で風味豊かな「やさと納豆」生産 JAやさと2025年4月18日
-
冬に咲く可憐な「啓翁桜」 日本一の産地から JAやまがた2025年4月18日
-
農林中金が使⽤するメールシステムに不正アクセス 第三者によるサイバー攻撃2025年4月18日
-
農水省「地域の食品産業ビジネス創出プロジェクト事業」23日まで申請受付 船井総研2025年4月18日
-
日本初のバイオ炭カンファレンス「GLOBAL BIOCHAR EXCHANGE 2025」に協賛 兼松2025年4月18日