自動車用電球メーカーが幻のきのこ「ホホホタケ」アジアへ輸出 大井川電機2022年1月20日
自動車用電球を製造・販売する大井川電機製作所(静岡県島田市)は、新規事業として“幻のキノコ”といわれる、はなびらたけ「ホホホタケ」の生産を開始。このほど、シンガポール、香港、マレーシアへの輸出を始め、毎月計約400パックを輸出する。シンガポールでは日本料理店、マレーシアではフランス料理、香港では健康食材などの高級食材を取り扱う「City'super(シティ スーパー)」での取り扱いが始まった。
はなびらたけは標高1000メートル以上の高山で生育し、採取することが困難なため「幻のきのこ」と呼ばれている。見た目は白い花びらのように華やかで、食感に優れ、きのこの中でも栄養素のベータグルカンが多く含まれている。料理人からの評価も高く、すき焼き、アヒージョ、炊き込みご飯、天ぷら、鍋、サラダなどの料理で使われている。
大井川電機の落合生産拠点
1967年の創業の同社は、これまで、国内外の自動車メーカーに、ウィンカーやテールランプ用など、数十種類の照明用電球を月間約1000万個生産・販売。現在までに市場に約50億個の電球を出荷し、年間約20億円を売上げてきたが、業界を取り巻く環境変化と自動車電球の発光ダイオード(LED)化に伴い、売上が減少傾向にあった。そこで、自動車産業で長年培ってきた電球製造の厳格な品質管理と生産体制のノウハウを活かした新規事業として、2015年からはなびらたけの栽培方法の研究を開始。温湿度管理、二酸化炭素濃度のコントロールなどの研究を重ね、2018年に独自の栽培ノウハウを確立。市場にはなびらたけを安定供給ができる体制を整えた。
同社は、はなびらたけに「ホホホタケ」と名付け、2021年9月までに月間1万パックを生産・販売し、現在は約3万パックに増産。2022年度末までには約6万パックに拡大する見込みで、スーパー、料理店、カフェ、給食などでの採用が進んでいる。
コリコリした食感と出汁が魅力の「ホホホタケ」は和風・洋風など、様々な料理に合うことから、地方の特産品と連携したセット販売も実施。石川県穴水町岩車で能登牡蠣を生産・販売する河端水産と連携して、アヒージョやバーベキューをイメージした牡蠣と「ホホホタケ」の料理セット販売している。
大井川電機製作所のはなびらたけは、静岡県内の道の駅 掛川、JA三方原農協 土の市、農家民宿食堂カフェ「coco-Rin(ココリン)」、大井川鐵道 川根温泉ホテルなどで販売。島田市内小中学校の給食や同市のふるさと納税の返礼品などにも活用されている。また、東京ではすき焼きの浅草今半、ホテル椿山荘東京など料理店やホテルのほか、量販店などでも販売されている。
「浅草今半」のすき焼き料理に使われる「ホホホタケ」
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