営業利益14.8%増 2022年3月期3四半期決算 デンカ2022年2月8日
デンカは2月7日、2022年3月期第3四半期決算短信を発表した。
売上高は、2839億7700万円と前年同期に比べ219億9200万円(8.4%)の増収となった。利益面では、成長分野製品の伸長により、営業利益は321億8100万円で、前年同期比41億5000万円増で14.8%増益。経常利益は300億9700万円で同27億9700万円増で、10.2%増益。親会社株主に帰属する四半期純利益は、229億1100万円で同40億2100万円増の21.3%増益。それぞれ第3四半期連結累計期間として過去最高となった。
部門別の内容は次のとおり。
◎電子・先端プロダクツ部門
球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックは、xEV関連を中心に販売が伸長。電子部品・半導体関連分野向け、高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは、5G関連やデータセンターなどの世界的な需要の拡大により好調に推移した。このほか、自動車産業用向けの金属アルミ基板ヒットプレートや工業用テープの販売は増加。LED用サイアロン蛍光体"アロンブライト"の販売も堅調だったが、高信頼性放熱プレート"アルシンク"は電鉄向けの需要が低調となった。この結果、同部門の売上高は661億6000万円で、前年同期比95億2200万円の16.8%増収。営業利益は137億9400万円と前年同期に比べ35億78百万円(35.0%)の増益となった。
◎ライフイノベーション部門
新型コロナウイルスの抗原迅速診断キット"クイックナビ -COVID19 Ag"は、感染症対策の一環として迅速な抗原検査体制の充実を図る厚生労働省の配布事業に供給したこともあり販売数量が増加。その他の試薬についても国内、輸出とも順調な販売となった。一方、インフルエンザワクチンは、世界的な新型コロナウイルスワクチンの増産により生産用資材が不足したことに加え、ワクチン製造株の増殖性等の影響により生産数量が前年を下回ったことから、出荷が前年を下回った。この結果、同部門の売上高は361億5700万円で前年同期比4億5300万円の1.2%減収。営業利益は119億3900万円と前年同期に比べ18億81百万円(13.6%)の減益となった。
◎エラストマー・インフラソリューション部門
クロロプレンゴムの販売は、世界経済の回復とともに産業用途などの関連産業向けの需要が増加に転じ前年を上回ったが、米国の子会社デンカパフォーマンスエラストマー社はハリケーン「アイダ」による上流サプライチェーンの混乱があり、生産停止を余儀なくされるなど影響を受けた。また、肥料や農業・土木用途向けのコルゲート管、耐火物・鉄鋼用材料の販売も堅調だったが、セメントや特殊混和材の販売は前年を下回った。この結果、同部門の売上高は775億3300万円で前年同期比109億700万円の16.4%増収。11億6400万円の営業損失となった。
◎ポリマーソリューション部門
ABS樹脂、デンカシンガポール社のMS樹脂やスチレンモノマーの販売は堅調に推移。また、合繊かつら用原糸"トヨカロン"は需要の回復により前年を上回り、雨どいや食品包材用シートおよびその加工品の販売も概ね順調となった。この結果、同部門の売上高は、原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しもあり、927億1700万円で前年同期比140億8300万円の17.9%増収。営業利益は62億6700万円と前年同期に比べ8億74百万円(16.2%)の増益となった。
◎その他部門
YKアクロス株式会社等の商社は、需要の回復により取扱高は増加したが、収益認識に関する会計基準の適用により減収となった。この結果、同部門の売上高は114億800万円で前年同期比120億6600万円(51.4%)の減収。営業利益は15億2600万円と前年同期に比べ9億700万円(146.6%)の増益となった。
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