20~30代の7割が1年以上日本酒に触れてない「日本酒」の飲用実態調査2022年2月14日
楯の川酒造は、20~60代の男女1万人と、日本酒を月1日以上飲酒し、いずれかの酒類上限予算を1万円以上と回答した20~60代の男女206人(以降定期飲用者)を対象に、日本酒の飲用実態を調査。海外輸出額が12年連続最高額を記録する一方、20〜30代と女性の7割超は、1年以内に日本酒を飲酒していないことがわかった。
調査では、全国1万人が、ビール・ワイン・ウイスキー・日本酒の4種類の酒類をどの程度、飲用しているのか聞いたところ、各酒類において「1年以上前に飲んだことがある」、もしくは「今まで一度も飲んだことのない」の回答が高く、ビール(男性のみ)および日本酒の60代男性の回答以外は50%以上を超えた。特に、女性の酒離れが顕著で、全体的に酒に触れていない人が増えている。
若年層と女性の日本酒離れが顕著
日本酒に絞って飲酒頻度を見ると、20〜30代(若年層)の70%・全世代の女性の74%は、1年以内に日本酒を飲酒していないことがわかった。さらに、「今まで一度も飲んだことがない」という回答が若年層・女性ともに40%を超えていた。海外での日本酒ブームがある一方、日本文化の一つである日本酒が、日本人の手に取りにくい酒になっている。
日本酒定期飲用者の「各酒類の飲酒頻度」について見ると、回答の特徴として、「毎日飲むのはビール」で、「ときどき(月に3回程度)飲むのが日本酒」という回答割合が高い。昨今はクラフトジンが流行りつつあるが、日本酒の定期飲用者はスピリッツ関連やリキュールは習慣的に飲まない人が多いと推定できる。また、ウイスキーを週4以上飲む割合が15%を超えており、蒸留酒のなかではウイスキーを選ぶ傾向が見られる。
若年層と女性の日本酒離れが顕著
日本酒と合わせて食べる食材は「海鮮料理」
日本酒の定期飲用者に対し、普段どのような食材(料理)を合わせて日本酒を飲んでいるか、また、どんな食材(料理)と合わせてみたいかを聞いたところ、男女共に「1位:海鮮料理」「2位:和食」と続いた。
「普段から合わせている食材」と「これから合わせてみたい食材」を比較すると、フレンチやイタリアン、肉料理など様々な料理にチャレンジしたい傾向が見られる。実際に日本酒定期飲用者の女性の約44%は料理に合った日本酒を選びたいと考えており、料理と日本酒の相性を重視。しかし、定期飲用者全体の約4割が日本酒と料理の相性を判断するのが難しいと回答しており、料理と日本酒のペアリング提案などの施策も必要になると考えられる。
一方、定期飲用者の男性の30%以上が、塩などの調味料と合わせて飲むと回答。「一人でも飲みたい男性」と「家族や知人・複数で飲みたい女性」と、飲酒する上で重視するポイントと飲み方に男女で大きく差異が生じている。
定期飲用者は用途に合わせて販売チャネルを使い分け
酒の購入場所について全国調査では、身近で実物に触れることのできるスーパーや酒販店での購入がほとんどを占め、オンラインでの購入が非常に少ない傾向で、定期飲用者は、幅広いチャネルで購入している。日常の食中酒はスーパーで購入し、ちょっと贅沢したい日のために身近で手に入れられないお酒をオンラインで購入するなど、飲酒タイミングやほしいお酒によって販売チャネルを分けていると想定され、実際に、約3割がAmazon等の通販サイトや酒屋やワインショップ公式サイトでも購入している。
パーティーシーンでの活用や高価格帯日本酒への期待高まる
定期飲用者に対し、日本酒に対するイメージを調査すると、「日本酒は劣化しやすく開封したらすぐに飲まないといけないイメージがある」に対して「ややそう思う」「非常にそう思う」と回答した割合が63.6%。日本酒のネガティブ要素として「劣化がはやい」という印象が強いことがわかった。また、高級酒に対する期待を感じさせる回答として「日本酒はパーティーシーンに合わないと思う」に対して「あまりそう思わない」・「全くそう思わない」との回答が7割を超えた。ワインのような高級日本酒があれば接待等で利用してみたいという回答も65%と高級な日本酒への期待がうかがえる。
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