まん防適用による営業制限で店内飲食は失速 外食産業市場動向調査1月度2022年2月28日
日本フードサービス協会は2月25日、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査の1月度の集計結果を発表。1月の外食市場は、各地でまん延防止等重点措置が適用され、再び行われた営業制限により、店内飲食が失速した。
1月の全体売上は、2021年1月比で112.2%となったが、あくまでも2回目の緊急事態宣言で売上が大きく落ち込んだ2021年1月の前年同月比(79.0%)からやや回復したことを意味するにすぎない。昨年末のコロナ感染者数減を受けて年始は個人や家族客に回復の兆しが見られたが、新変異種「オミクロン株」の出現で再び感染者が急増した。1月9日以降は各地でまん延防止等重点措置が適用され、特に店内飲食中心のレストラン業態・飲酒業態が失速。全体売上はコロナ禍前の19年比で88.5%となった。また従業員家族などの感染もあり、店舗の人員確保にも影響が及んでいる。
業態別では、ファストフード(FF)の全体売上は、店外消費の下支えもあり、コロナ禍でも好調を維持。2021年1月対比で106.2%、19年1月比でも106.7%となった。「洋風」はテイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが変わらず堅調。新メニューも好調で売上105.9%(19年比124.1%)。「和風」も、新商品が引き続き好調で、売上は105.8%(19年比100.0%)。「麺類」は、前年の緊急事態宣言下で酒類が19時までに制限され売上を大きく下げた「らーめん」等の反動もあり、2021年1月比104.5%だったが苦戦は変わらず、19年比では79.2%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「回転寿司」のキャンペーンやデリバリーの拡充等が寄与し、売上は106.9%、19年比でも99.9%となった。「その他」は、「カレー」が昨年ほどの落ち込みは見られず、また「アイスクリーム」がテイクアウト販売に工夫するなどで好調を維持、売上111.0%となった(19年比97.2%)。
ファミリーレストラン業態(FR)の全体売上は、大きく下げた2021年1月(対20年1月比65.4%)からの戻りは鈍く、2021年1月比で120.1%だったが、19年比では76.5%に留まった。「洋風」は、年始の期間限定メニュー等のキャンペーンが好調だったが、その後失速し、売上は2021年比120.6%(19年比
70.6%)。「和風」も、年初の家族宴会などの好調から一転、オミクロン株の感染拡大で失速し、緊急事態宣言が出た2021年1月対比で119.1%、19年比では70.9%。一方、「中華」は、テイクアウト等の下支えが引き続き堅調で、売上111.3%、19年比も98.3%となった。「焼き肉」は、2021年1月ほどの休業店舗数には至らず、売上130.3%、19年比で90.2%となった。
パブ・居酒屋業態は、緊急事態宣言の影響を受けた昨年同月と比べると154.8%と一見大幅増に見えるが、コロナ禍前の19年対比では35.0%とコロナ以前への回復には程遠い。年初は新年会需要なども見られたが、その後は予約キャンセルが相次ぎ、まん延防止等重点措置の適用以降は休業する店舗もあった。業種別に見ると、「パブ・ビアホール」の売上は昨年同月比182.6%(19年比38.1%)、「居酒屋」は昨年同月比145.6%(19年比33.9%)だった。
ディナーレストラン業態は、家族などのグループ需要はあるが、法人の新年会はほとんど見られず、売上は激減した昨年同月の反動で136.7%。19年比では65.2%と苦しい状況が続いている。
喫茶業態は、全国各地で実施されたまん延防止措置により、特に都市部や商業施設、観光地で大きな影響を被り、売上は昨年同月比119.9%(19年比71.7%)。
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