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国連生物多様性交渉へ WWF報告書『ギャップを埋める:政治的コミットメントを野心的な生物多様性枠組へ』公表2022年3月11日

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世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は、3月13日から29日までスイスのジュネーブで開かれる、国連の生物多様性交渉で議論される国連生物多様性条約における「ポスト2020生物多様性枠組」が最終局面を迎えるにあたり、WWF報告書『ギャップを埋める:政治的コミットメントを野心的な生物多様性枠組へ』を公表した。

WWF報告書『ギャップを埋める:政治的コミットメントを野心的な生物多様性枠組へ』WWF報告書『ギャップを埋める:政治的コミットメントを野心的な生物多様性枠組へ』

生物多様性に関する目標が、国連生物多様性条約第15回締約国会議で合意をめざすポスト2020生物多様性枠組において、2030年までに決定する。各国の政治リーダーは、2020年からこれまで、世界レベルのイニシアティブや国際会合で、2030年までに生物多様性の損失を止め、反転させることができる野心的で変革的な世界レベルでの合意を確保することを公約してきた。

今回、WWFが発表する『ギャップを埋める:政治的コミットメントを野心的な生物多様性枠組へ』は、生物多様性に関する国際的合意を総括し、既存の国際公約を比較、評価。その結果、現在議論中のポスト2020年生物多様性枠組に関する草案内容では、既存の国際公約を十分に満たしていないことが明らかになった。

WWFインターナショナルのマルコ・ランベルティーニ事務局長は「科学的根拠に基づき、測定可能なゴールとターゲットを草案に反映させ、その実施を閣僚や交渉担当者に要請する必要がある。また、気候に関するものと同様に、自然についても統一的で明確な世界目標を盛り込まなければならない。2030年までに自然の損失を反転させ、自然にとってポジティブ、な未来を実現するために、世界を統合できる強力な合意が必要」とコメント。既存の公約だけでは、自然の損失の流れを変えることはできないとしている。

国連生物多様性交渉へ WWF報告書『ギャップを埋める:政治的コミットメントを野心的な生物多様性枠組へ』公表

ポスト2020年生物多様性枠組は、中国の昆明で開かれる国連生物多様性条約第15回締約国会議の生物多様性サミットで決定。3月13日からジュネーブで開かれる会合は、ポスト2020年生物多様性枠組の採択に向けて各国政府が交渉する、実質上最後の機会となる。

WWF報告書では、その草案に含むべき9項目を指摘しており、主な内容は次の通り。

・(種の)絶滅率の上昇を阻止または逆転させ、絶滅リスクを少なくとも10%減少させることに留まらず、各国は2022年から絶滅危惧種の絶滅を防ぐために即座に行動を取り、2030年までに種の個体数を回復させることを推進

・定期的な進捗確認、目標達成に必要な行動強化を促すためのレビューと段階的に野心度を引き上げる仕組み

・自然破壊の主な原因である持続可能でない生産と消費のパターンを変えるための対処

・自然にとって有害な補助金の撤廃または再検討

・権利に基づくアプローチの実施を確保するための明示的な言及

WWFは、ネイチャー・ポジティブを2030年までに確保することを求め、生物多様性の損失を引き起こす主要要因を考慮。特に農業と食料システムを変革するための行動が、深刻化する自然の緊急事態に取り組むために不可欠であるとしている。

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