国内パン市場1.7%増 市販用冷凍パンは26.7%で好調 富士経済2022年3月28日
総合マーケティングビジネスの富士経済は3月24日、「パン・ベーカリー市場の全貌と開発トレンド2022」を発表。国内パン市場(小売りベース)の2021年見込みは、2兆8517億円で前年比1.7%増。また、市販用冷凍パンがメーカー出荷ベースで38億円の前年比26.7%増。生協向けの好調に加え、CVSや量販店での採用増加から大幅に伸びている。
2020年の国内パン市場は前年比1.1%減の2兆8033億円となった。新型コロナウイルスが影響し、駅ビル立地のベーカリーショップやCVSは営業時間の短縮や一時休業、来店客数の急減により苦戦を強いられた。一方、休校やテレワークの広がりを背景に量販店やインストアベーカリーは来店客数が増加した。
注目は、成型冷凍パン、ホイロ後冷凍パン、焼成済冷凍パン、半焼成済冷凍パンを対象とする市販用冷凍パンでメーカー出荷ベースが2021年見込38億円で前年比26.7%増。2020年は、新型コロナウイルスの影響により生協向けが大幅に伸長したほか、量販店やCVS、オンラインでも需要を獲得したことから市場は二桁増となった。2021年も引き続き生協向けが好調で、上位メーカーは、CVSでの新規採用や、将来的な本格展開を見据えて量販店でのテスト販売に注力する動きがみられる。消費者の認知向上が積極的に行われていることから市場は続伸が予想される。
品目別で、食パンは本格志向、健康志向を背景にバラエティ食パンのラインアップが増加しているほか、高級食パン専門店の台頭でホワイト食パンの単価も上昇。2020年は休校や外出自粛が広がった前半を中心にホワイト食パンの需要が急増し、棚パンが伸びた。また、食パン専門店の地方出店の増加や駅ナカや商業施設立地がメインのチェーンでも食パンのラインアップを拡充するなど販売を強化したことから市場の拡大幅は前年を上回った。2021年は菓子パン感覚で喫食できる小型のバラエティ食パンが伸長しているものの、前年の反動によりホワイト食パンが低迷しており、市場は微減が予想される。
テーブルパンは2020年、家庭内での喫食頻度が高まったことで、ロールパンを中心に棚パンの需要が急増したが、ベーカリーショップの需要が低迷市場は縮小した。2021年はベーカリーショップの復調によりバゲット・バタール・パリジャン・クッペやクロワッサン、塩パンなどが伸長するものの、市場規模の大きいロールパンが前年の反動によりマイナスに転じることから、市場は引き続き縮小が予想される。
惣菜パンは、サンドイッチ・バーガーやピザ・ピザパン、ハム・ソーセージ入りが主力。2020年はCVSが中心であるカレーパンや焼そばパン、ハム・ソーセージ入りが軒並み減少したものの、サンドイッチ・バーガーやピザ・ピザパンがハンバーガーショップや宅配ピザの好調で大幅伸び、市場は前年を上回った。2021年も引き続きハンバーガーショップや宅配ピザがサンドイッチ・バーガーやピザ・ピザパンの伸びをけん引しており、ベーカリーショップやCVSの需要も回復に向かっていることから市場は続伸するとみられる。
菓子パンは2020年、マリトッツォなど一部ベーカリースイーツは好調だったものの、休校やテレワークの広がりを受け、食パンやテーブルパンへ需要が流出し市場は縮小。2021年は棚パンにおいて前年から好調なマルチパックの商品が伸長しているほか、外食ではドーナツショップが好調であることからドーナツが大幅伸長するとみられ、市場拡大が予想される。
チルドパンは2020年、マリトッツォのブームなどで売り場の盛り上がりはみられたが、テレワークの普及などによる客数減少が影響し、CVSの実績が大幅にマイナスとなったほか、量販店インストアベーカリーを除くその他チャネルも苦戦したことから市場は二桁減。2021年は量販店やベーカリーショップなどでは需要回復がみられることから市場拡大が予想される。
同調査は2021年10月2022年1月、富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングと関連文献調査、社内データベースを併用して行われた。
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