垂直農法の市場規模 2030年に330億2000万米ドル到達予想2022年3月28日
グローバルインフォメーションは3月23日、市場調査レポート「垂直農法の市場動向・市場シェア・市場規模の予測 (2022-2030年):構造 (輸送コンテナ・建物ベース)・提供区分・栽培メカニズム・果物/野菜/ハーブ区分・地域別」(Grand View Research, Inc.)の販売を開始した。
同レポートによると、垂直農法の市場規模は、2022年から年平均成長率(CAGR)25.5%で成長し、2030年には330億2000万米ドルに達すると予想。作物の生産にIoT(Internet of Things)センサーの利用が増加し、今後の市場需要に拍車がかかることが期待される。センサーから得られた情報は、クラウドに保存され、必要なアクションを実行するために分析される。農業の自動化が進み、収量を最大化するためのビッグデータや予測分析の利用が増加していることも、市場の成長を支えている。
垂直農法は、作物生産の安定性を確保し、悪天候下でも高い信頼性が維持できる有効な方法。水の使用量が少ない、農薬の必要性が低い、農業労働力への依存度が低いなど、従来の農業技術に比べて複数の利点がある。また、金属製の反射板や人工照明を利用することで、自然の太陽光を最大限に活用することが出来る。
遺伝子組み換え作物や、農薬などの非天然物質による環境・健康への懸念から、消費者は有機食品を採用するようになった。有機取引協会によると、米国の有機産業の売上高は、インフラと教育への投資の増加により、2019年に約5%増加。1990年に制定された有機食品生産法に基づき、有機製品の取扱者や生産者は、規制を遵守する必要がある。
人工照明は、自然な日照時間の延長に役立ち、植物の健康、成長率、収量をさらに向上させる。高圧ナトリウム照明やLED照明などの人工照明は、農作物の収穫期をシーズンを通して延長できる。LED照明システムは、デュアルバンドのカラースペクトルを生成し低熱を発生させる。
水耕栽培システムは、土を使わずに植物を栽培する方法で、農薬や人工的な熟成剤を使用する必要がないため、栄養価の高い野菜を生産できる。一方、初期投資が高いことや作物の種類が少ないことなどの要因が、市場の成長を抑制する可能性がある。
垂直農法市場のハイライト
バイオ医薬品の生産拡大が、同市場の成長を牽引することが予想される。
構造面別に、ビルディングベース分野が、2022年から2030年の間にCAGR27.8%で拡大することが予想される。
気候管理分野は、ミネラルの濃度を監視・調整することで作物の生育をコントロールできるため、今後の高い成長が期待できる。
栽培メカニズム別に、空中栽培(エアロポニックス)が、通常の条件下で植物の早い成長を促すことから、高い成長が見られると予想。北米地域は、小規模な商業用垂直農園の拡大により、今後の大きな成長が見込まれる。
重要な記事
最新の記事
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(2)今後を見据えた農協の取り組み 営農黒字化シフトへ2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(3)水田に土砂、生活困惑2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(4)自給運動は農協運動2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(1)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(2)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(3)2025年1月23日
-
元気な地域をみんなの力で 第70回JA全国女性大会2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(1)新しい仲間との出会い 次世代へつなげるバトン 青森県 JA八戸女性部 坂本順子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(2)この地域を、次世代に繋ぐ、私たち 山梨県 JA南アルプス市女性部 保坂美紀子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(3)私たちの力で地域をささえ愛 愛知県 JA愛知東女性部 小山彩さん2025年1月23日
-
旧正月【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第325回2025年1月23日
-
地元産米を毎月お届け 「お米サポート」スタート JAいずみの2025年1月23日
-
定着するか賃金引上げ 2025春闘スタート 鍵は価格転嫁2025年1月23日
-
鳥インフル 米アイオワ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
鳥インフル 英シュロップシャー州、クルイド州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
スーパー売り上げ、過去最高 野菜・米の価格影響 「米不足再来」への懸念も2025年1月23日
-
福島県産「あんぽ柿」都内レストランでオリジナルメニュー 24日から提供 JA全農福島2025年1月23日
-
主要病虫害に強い緑茶用新品種「かなえまる」標準作業手順書を公開 農研機構2025年1月23日
-
次世代シーケンサー用いた外来DNA検出法解析ツール「GenEditScan」公開 農研機構2025年1月23日
-
りんご栽培と農業の未来を考える「2025いいづなリンゴフォーラム」開催 長野県飯綱町2025年1月23日