まん防適用拡大、外食産業への影響も持続 外食産業市場動向調査2022年2月度2022年3月29日
日本フードサービス協会は3月25日、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査の2022年2月度の集計結果を発表。2月の外食市場の全体売上は大都市圏に緊急事態宣言が発令された前年同月比で104.8%だが、一昨々年(2019)比は84.5%だった。
2月は、新型コロナ(オミクロン株)の新規感染が全国的に広がり、前月からのまん延防止措置は最大36都道府県へと適用が拡大。外食の全体売上は大都市圏に緊急事態宣言が発令された前年同月と比べると104.8%となったが、ファストフード(FF)を除く業態では需要の低迷傾向が続いた。全体売上の一昨々年比は84.5%と、コロナ以前との差はまだ埋まらない。
業態別では、ファストフードは、テイクアウトが生活スタイルとして定着しつつあり、売上は前年比107.1%。「洋風」は、物流の混乱によるフライドポテト供給の有無が各社の売上に影響した面もあるが、持ち帰り全般が好調で、売上113.0%。「和風」は、持ち帰りや月替わり商品等の好調で105.6%。「麺類」は原材料費高騰などによる価格改定もあり、全体売上102.1%だったが、一昨々年比では71.3%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「回転寿司」の恵方巻キャンペーンは比較的堅調だったが、緊急事態宣言下の昨年の好調には及ばず、売上は98.9%。「その他」は、「カレー」で営業時間短縮店舗が増加し、売上97.8%、一昨々年比で87.0%となった。
ファミリーレストラン業態(FR)は、まん延防止措置の適用が全国的に拡大したことから売上は前年を下回り99.3%。コロナ前の一昨々年比では67.9%と低迷している。「洋風」「和風」は、感染者数が減少傾向に入った下旬には客足回復の兆しが見えたが、まん延防止措置による営業時間短縮、アルコール類提供の制限が響き、「洋風」は売上96.3%、「和風」は売上99.2%。一昨々年比ではそれぞれ61.1%、64.2%と足踏み状態が続く。「中華」は、デリバリー対応店舗の増加やメディア露出が奏功し、売上106.6%。「焼き肉」は、営業時間短縮等により繁華街立地で落ち込みが見られたが、店舗の増加などにより、売上100.8%。一昨々年比では73.6%まで戻した。
パブ・居酒屋業態は、2021年も緊急事態宣言下にあったか、今年だけまん延防止措置が適用されたか、地域によって営業制限の度合いが異なり、企業の売上前年比にも差が出た。「パブ・居酒屋」全体では、休業店舗もあった昨年と比べると、売上は108.8%だったが、店舗減少と営業制限の連続でコロナ禍前の一昨年比ではわずか22.7%。「パブ・ビアホール」の売上は、123.0%と飛躍的に伸びたように見えるが、一昨々年比では27.8%。「居酒屋」も売上105.0%、一昨々年比21.4%に終わった。
ディナーレストラン業態は、まん延防止措置では、酒類提供時間が緊急事態宣言下より1時間緩和された地域もあり、一部店舗では夜間の来客が昨年より増加し、売上は101.9%。一方、同措置は全国的に広く適用されたことから、適用対象外でも自粛する地域も見られ、売上はコロナ禍前の一昨々年の50.7%にとどまっている。
喫茶業態は、休業店舗が多かった昨年の反動で、売上104.0%となったが、ターミナル駅周辺の店舗の不調、不採算店の閉鎖などもあり、売上の回復はまだ遠い。
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