フードバンクなど通じ「予備分パン」を困窮者支援活用 パルブレッド2022年4月5日
パルシステムグループのパン専門会社、パルブレッドは、製造上発生する「予備分パン」を地元の子ども食堂や高校での配付用食材として活用。コロナ禍で調理品の提供が厳しくなるなか、そのまま食べられるパンは困窮者支援に活動するフードバンクなどから喜ばれている。
無料食堂での食料配布の様子(提供:NPO法人dattochi home)
素材にこだわり、添加物に頼らないおいしさが組合員から強く支持されているパルブレッドのパンは、八王子工場で製造するたびに発生する「予備分パン」が食料支援の場で提供されている。
同社管理部で支援の窓口を担当する松下悠さんは「組合員の注文に滞りなくこたえるためにいつも予備の分も含めて焼くので、どうしても余ってしまう」と説明。以前から予備分パンは産直豚の飼料などに活用されてきたが、それでも、月曜日から木曜日は1日200~300袋、生地を使いきらねばならない休み前の金曜日は400袋ほどが余剰になっていたため、フードバンク八王子などを通じ、地元の子ども食堂や高校に配布食材として届けられている。
パンを受け取りに来るフードバンクやNPOのスタッフ
支援先の窓口となるフードバンク八王子の担当者によると、自分のためだけでなく夕食用に食パンを家に持ち帰る生徒もいるという。また、ほかの支援の場でも、コロナ禍で調理品の提供がむずかしくなっていることもあり、そのまま食べたり配ったりできるパンはとても喜ばれている。
一方、経営的な視点から見れば「余剰はできるだけ減らす」が鉄則。あくまでも「発生してしまう」余剰を活用しての支援であるため、数量もパンの種類もあらかじめ約束できないというジレンマもある。さらに、保存のための添加物を使っていない同社のパンは賞味期限が短く、配布するタイミングが限られる。
「あてにしてもらいたいけれど、『あてにしてください』と自信をもって言いきれないのがもどかしい」と松下さん。「この先も、パンの提供を継続して行っていく予定。利益に直結することではないが、パルシステムグループの一員として、地域社会の課題解決に貢献することを優先していく」と話している。
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