衛星画像から過去35年間の国内全域の伐採・植栽箇所を可視化 森林研究・整備機構森林総合研究所2022年4月7日
森林研究・整備機構森林総合研究所は、⽇本全域での過去35年間の伐採箇所と、その後の針葉樹の植栽状況を衛星画像で推定。公開されたマップの利⽤により、各地域での森林の管理計画策定へ貢献することが期待される。
⽇本全域の伐採および森林撹乱のマップと代表的地域の例⽰。
(a) 宮崎県(伐採が近年増加)、
(b) 兵庫県(1980年代から90年代にかけてゴルフ場や⼯業⽤地などが開発)、
(c) 北海道(2004年台⾵18号による⼤規模な⾵倒害とその処理の後、近年伐採が再開)
森林研究・整備機構森林総合研究所は、衛星画像を⽤いて⽇本全域の過去35年間の伐採箇所をマッピングし、伐採の場所と時期、その後の植栽状況を明らかにした。⽇本では近年、針葉樹⼈⼯林を中⼼に伐採活動が活発になっているが、いつ・どこで伐採が⾏われ、伐採後に植栽されたかを把握するには伐採者や森林所有者の⾃⼰申告等による情報に頼らざるをえなかった。
同研究では、⻑期間観測を⾏っている衛星画像を利⽤して1985年から2019年までの毎年の伐採箇所を推定。伐採後に針葉樹で植栽されているか、また、時系列的に伐採・植栽活動がどのように変化しているかを調べた。その結果、毎年の伐採⾯積は直近10年で増加傾向にあり、近年の伐採活動の活発化を裏づけられた。
針葉樹林が伐採された後、針葉樹が再植栽される割合は1980年代から減少傾向だったが、2010年以降は下げ⽌まり、現在では5~6割程度は再植栽されていると判断できた。同研究成果は、各地域での伐採・植栽活動の把握と森林管理計画の策定に利⽤されることが期待される。
同研究成果は、2021年12⽉15⽇に『International Journal of Applied Earth Observation and Geoinformation』誌に掲載された。
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