全国で客足やや戻るも、内外情勢の変化で足踏み 外食産業市場動向調査3月度2022年4月26日
日本フードサービス協会は4月25日、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査の2022年3月度の集計結果を発表。3月の外食市場の全体売上は、前年対比105.9%となったが、コロナ以前の2019年比ではまだ86.3%にとどまっている。
3月は桜開花の時期が訪れ、気温の上昇とともに人流が増加。22日以降は新型コロナまん延防止等重点措置が全国すべての地域で解除となり、外食店舗はコロナ規制の無い通常営業に戻れたが、人手不足、円安、国際流通の停滞等による原材料費の高騰などが、外食全体の回復に水を差している。
業態別でファストフード(FF)は、前年比106.6%で引き続き外食の全体売上を牽引。一方、感染者数が拡大し外国人の再入国が難しい状況の中で、従業員不足が生じ、営業の機会損失を余儀なくされたところもあった。「洋風」は、原材料費高騰による価格改定もあり、売上は前年比108.9%。「和風」は、深夜営業の再開で店内飲食が増え、売上は107.9%。「麺類」は22日以降の客足回復が目立ち売上107.2%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、"まん防全面解除"の22日以降も来客数に大きな変化はなが、割引キャンペーンが奏功し、売上は100.2%。「その他」は、気温の上昇につれて「アイスクリーム」で持ち帰り需要が増加し、売上102.8%。
ファミリーレストラン業態(FR)は、前年比104.0%となったが、2019年比では75.0%とコロナ以前への回復には未だ道半ば。「洋風」は、週末の家族連れ客が増え、割引キャンペーンが奏功し、売上は102.4%となった(2019年比では66.3%)。「和風」は、消費者マインドの回復には未だ遠いが、キャンペーンやメディア露出などにより、売上102.0%(2019年比では79.0%)。「中華」は、テイクアウト商品の好調に加え、酒類提供の再開で店内飲食も好調で売上は107.2%。「焼き肉」は、深夜営業ができるようになり、食べ放題メニューの提供で集客力が向上、売上は108.4%。
パブ・居酒屋業態は、上旬と中旬は営業時間や酒類販売の制限緩和、下旬はまん延防止全面解除で、売り上げが回復。「パブ・居酒屋」の全体売上は104.3%となったが、店舗減少と営業制限の影響は続き、2019年比では31.5%にとどまった。「パブ・ビアホール」の売上は122.8%と前月同様に一見大きな伸びを見せたが、2019年比では37.0%。「居酒屋」の売上も96.2%に終わった。
ディナーレストラン業態は、年度末の歓送迎会や春休みシーズンの需要に一部復活の動きがみられ、またアルコール提供の制限緩和などにより、売上は108.8%となったが、下旬までの営業時間短縮が響き、売上は2019年の65.4%にとどまっている。
喫茶業態は、ショッピングセンターや住宅地の店舗は未だ変化が鈍いが、22日以降はオフィス街店舗で客足が戻る傾向にあり、売上は106.2%となった。
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