「南三陸産銀鮭の醤油煮缶詰」が農林水産大臣賞を受賞 マルヤ水産2022年5月25日
日本で数社しかないカニ缶詰製造元のマルヤ水産株式会社(宮城県名取市)が製造する「CANNED 南三陸産銀鮭の醤油煮缶詰 180g」は、第32回全国水産加工品総合品質審査会で最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。
身はふっくらと、中骨までおいしい。CANNED南三陸産銀鮭の醤油煮缶詰
同社は、宮城県名取市閖上で創業。目の前の浜で水揚げされたカニを加工するところから始まり、地元資源が枯渇してからは海外からカニを調達してカニ缶詰や冷凍のカニ製品を製造してきた。百貨店ギフトの花形の一つであるカニ缶詰は、実際に製造している会社は全国でも数社しかない珍しい商品といえる。東日本大震災の津波で名取市閖上の本社・工場・倉庫が流失したが、グループ補助金などを活用し、第二工場の亘理工場への増築で現在の缶詰ラインを立ち上げた。震災を機に、以前から構想していた地元の食材の缶詰を商品化した。
「CANNED 南三陸産銀鮭の醤油煮缶詰 180g」は、宮城県が誇る脂がのった刺身用銀鮭を、化学調味料を使わずに懐石料理の醤油煮に仕上げた。身はふっくらと、中骨まで丸ごと食べられる仕上がりにこだわっている。強い味付けではないため、キッシュやパスタなどの食材としても使いやすい。
開発にあたっては当初、刺身用の脂がのった銀鮭の缶詰化は不可能だと容器の専門家から言われた。刺身用銀鮭は身が柔らかいため、缶詰の殺菌に耐えられず身は溶けてしまう、またはそれを恐れて殺菌条件を緩めると、中骨が硬いまま食べられない状態に仕上がるということで、最初の試作品では、一見きれいに仕上がった銀鮭の身が、箸で持ち上げるとホロホロと崩れ落ちてしまった。そこで長年の缶詰技術を生かして試行錯誤を重ね、ふっくら身質は保持しつつ中骨まで丸ごと楽しめる仕上がりを実現した。
味は、同社が仙台市内で経営していたがコロナ禍で閉店した懐石料理店の料理長の「煮付」の味から始まった。化学調味料を使わずに作るため醤油選びにこだわり、複数の醤油で試作。その中で、素材の味を良く引き出した石巻の山形屋商店の醤油を使うことになった。
CANNEDシリーズは小売店や各種通信販売、自社でのネット通販等で全国に販売。また、香港、シンガポールの店頭にも並んでいる。今後は、CANNEDの新商品展開を進めながら、お酒を合わせたシーンの訴求など、東北、宮城の食を楽しめる提案を国内外に向けて発信していく。「CANNED南三陸産銀鮭の醤油煮缶詰」(180g)は750円(税別)。
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