営業制限緩和で客足戻るも夜間需要は回復せず 外食産業市場動向調査4月度2022年5月26日
日本フードサービス協会は5月25日、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査の2022年4月度の集計結果を発表。4月の外食市場の全体売上は、前年対比113.5でコロナ禍前の2019年比では91.9%となった。
4月の外食需要は、3月22日以降全国でまん延防止等重点措置が解除されたことから、首都圏など一部地域では感染再拡大防止のための自治体の協力依頼があったが、おおむね回復基調。全体売上高は113.5%、コロナ禍前の19年比では91.9%となった。春休みや土・日曜日、祝祭日を中心に、家族連れが外食需要を牽引し、商業施設立地の店舗などが好調だった。一方、コロナ下での生活習慣の変化により、制限緩和後も夜間の客足は依然として早く途絶え、夜の外食需要は戻っていない。また、営業回復に必須の人員確保も大きな課題で、一部店舗では人手不足から売上の回復が遅れている。
業態別でファストフード(FF)は、重点措置解除後もテイクアウト需要は底堅く、店内飲食の回復や新商品の展開などもあり、全体的に引き続き堅調に推移した。「洋風」は、デリバリー、ドライブスルーの堅調は変わらず、売上110.7%。「和風」は、夜間の店内営業の再開や新商品の好調もあり、売上107.9%。「麺類」は、酒類提供制限が大幅に緩和され、売上109.8%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「持ち帰り米飯」の家族向け商品が好調で単価が上昇し、売上102.8%。「その他」は、「カレー」が郊外店で振るわなかったが、「アイスクリーム」のテイクアウト需要が堅調。商業施設での売上も回復し、売上105.1%となった。
ファミリーレストラン業態(FR)は、家族連れが需要回復を牽引し、FR全体の売上は117.5%。しかし、夜の需要が戻らないことなどから、19年対比では79.9%に留まった。原材料費の高騰により、価格改定に踏み切らざるをえないところも出てきた。「洋風」は、春休みや祝祭日を中心に家族客が戻り、売上112.5%。「和風」は、重点措置解除後も、依然として宴会需要やビジネス街店舗の需要は戻りが悪いが、家族客の増加で、売上124.3%。「中華」は、テイクアウトとデリバリーの好調が続き、また店内飲食も回復し、売上114.3%。「焼き肉」は、家族客の戻りが好調、夜間営業も再開され、売上128.1%。
パブ・居酒屋業態は、営業規制により売上が激減した前年と比べると、売上181.9%と大きく伸びたように見える。しかし、19年比では売上47.6%と、実態はコロナ前の半分にも届いていない。特に、二次会など夜遅い時間帯の集客が低調。また、新規感染者数の高止まりと自治体からの感染再拡大防止の注意喚起が続く中では、法人の宴会需要も見込めず、苦戦が続いている。
ディナーレストラン業態は、百貨店などの商業施設を中心に個人客の戻りが顕著で、売上136.3%。しかし、長引いた規制の影響で夜間の客の退店が早く、加えて法人宴会の需要が戻っていないことなどから、19年比では74.2%となっている。
喫茶業態は、人流の回復に伴い、商業施設立地の店舗など多くの立地で客足が戻り、売上113.0%。しかし、オフィス街立地では、通勤客が戻る傾向にあるにもかかわらず、需要の回復が遅れている。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】チャ、植木類、果樹類にチュウゴクアミガサハゴロモ 農業被害を初めて確認 東京都2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(1)どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(2) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(3) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(4) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
鳥インフル 英イースト・サセックス州など4州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】消費者巻き込み前進を JAぎふ組合長 岩佐哲司氏2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】米も「三方よし」精神で JAグリーン近江組合長 大林 茂松氏2025年1月22日
-
ポンカンの出荷が最盛を迎える JA本渡五和2025年1月22日
-
【地域を診る】地域再生は資金循環策が筋 新たな発想での世代間、産業間の共同 京都橘大学教授 岡田知弘氏2025年1月22日
-
「全日本卓球選手権大会」開幕「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年1月22日
-
焼き芋ブームの火付け役・茨城県行方市で初の「焼き芋サミット」2025年1月22日
-
農のあるくらし日野のエリアマネジメント「令和6年度現地研修会」開催2025年1月22日
-
1月の「ショートケーキの日」岐阜県産いちご「華かがり」登場 カフェコムサ2025年1月22日
-
「知識を育て、未来を耕す」自社メディア『そだてる。』運用開始 唐沢農機サービス2025年1月22日
-
「埼玉県農商工連携フェア」2月5日に開催 埼玉県2025年1月22日
-
「エネルギー基本計画」案で政府へ意見 省エネと再エネで脱炭素加速を パルシステム連合会2025年1月22日
-
クミアイ化学工業と米国Valent社、水稲用除草剤エフィーダの米国開発で業務提携2025年1月22日
-
肉の日に合わせお得なアソート「冷凍モスライスバーガー 肉の日セット」登場 モスバーガー2025年1月22日
-
店舗、宅配ともに前年超え 12月度供給高速報 日本生協連2025年1月22日