フェアトレードバナナ 台風被害乗り越え注文受付再開 パルシステム2022年7月19日
パルシステム連合会は、2021年12月にフィリピン中南部を直撃した台風22号により壊滅的な被害を受けた「エコ・バナナ(バランゴン)」のカタログ注文受付を7月18日から再開。30年前からネグロス島と消費者をつなぐ民衆交易から始まったパートナーシップにより、フェアトレードバナナの畑が復興している。
家屋修繕のため配付された屋根材
台風22号は、2021年12月16日から17日にかけてバランゴンバナナの主要産地であるネグロス島をはじめ、ボホール島やミンダナオ島北部の産地を直撃。ネグロス島では、主要作物であるサトウキビやバナナの畑に甚大な被害を与え、バナナの出荷量は予測収量の8~9割減まで落ち込んだ。
パルシステムは現地の被害を受け、毎週のカタログへの掲載を見合わせ、予約登録で商品を届ける「パルくる便」のみで供給していたが、被災後半年以上が経過して復興が進んだ。8月以降は前年度並みの生産量に回復する見込みとなったことから、カタログでの注文受付を再開する。
パルシステムなど海外パートナーから2300万円の支援金
12月の台風は生産者の家屋105軒を全半壊させ、出荷できるバナナがなくなった産地の人々は収入が一時的に途絶える状態となった。パートナー企業のオルタートレード・フィリピン社(ATPI)などの呼びかけに応じ、パルシステムをはじめ海外の団体が2300万円超の支援金を用意し、農地復興と生産関係者の生活支援を進めてきた。
支援金は被災直後の食料支援838家族分や全半壊した家屋の修復、倒壊したバナナ集荷場や農場施設復興のための資材等に使われ、バナナが倒伏した畑には、支援金から肥料とする鶏糞も配付。施肥の効果により倒伏したバナナから再生した脇芽の生育が予測以上に早まり、出荷量の回復に寄与した。
鶏糞をバナナ畑の中まで運び込むスタッフ
生産地域のくらしを支えるフェアトレードバナナ
エコ・バナナ(バランゴン)
民衆交易によるフェアトレードバナナは、生産者だけでなく選果作業やフィリピン国内での流通、パッキングなど出荷までの作業に携わる多くの人達の生活を支えている。今回の被災で一時的に仕事を失ったスタッフは、ATPIから日当を受け取り、バナナ畑に足を運んで復興作業に携わり、普段の仕事では目にしない生産現場を知るきっかけともなった。
日本の消費者にとって身近な存在のバナナ。生産現場の情報に触れる機会は少ないが、パルシステムは地域の人々とくらしを応援するため産地の状況を消費者に伝え、持続可能な生産と消費を支える活動を継続していく。「エコ・バナナ(バランゴン)」(500g)は通常価格343円(税込)。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(120) -改正食料・農業・農村基本法(6)-2024年11月30日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (37) 【防除学習帖】第276回2024年11月30日
-
農薬の正しい使い方(10)【今さら聞けない営農情報】第276回2024年11月30日
-
「自分」を失わない努力が必要な時代【原田 康・目明き千人】2024年11月30日
-
集落機能強化加算 「当分の間、継続」江藤農相 対象は現行555組織 経過措置導入へ2024年11月29日
-
「子どもの食事って大切」 心身育成にも一役 全国オーガニック給食フォーラム2024年11月29日
-
着実な担い手確保へ JAきたみらいなど先進3JAに学ぶ JA全中・次世代総点検セミナー2024年11月29日
-
宴会やパーティーで食品ロス削減「おいしい食べきり」全国共同キャンペーン実施 農水省2024年11月29日
-
「食品関連企業の海外展開に関するセミナー」環境規制に関する事例紹介 農水省2024年11月29日
-
【農協研究会】たい肥センター核に 放棄地再生も JA佐久浅間で農業戦略探る2024年11月29日
-
日銀「地域金融強化のための特別当座預金制度」適用対象機関名を公表 農林中金2024年11月29日
-
【役員人事】JA全農くみあい飼料株式会社(11月19日付)2024年11月29日
-
内部統制と働きやすさは両論 コンプラでトップセミナー JA全中2024年11月29日
-
ノウフクレンケイってなんだ? 根本凪の「ネモト宅配便 特別編 」配信 JAタウン2024年11月29日
-
「冬の京野菜フェア」全農直営3店舗で12月1日から開催 JA全農2024年11月29日
-
柑橘王国えひめ「紅コレクション」始動「愛媛県産紅まどんなフェア」開催 JA全農2024年11月29日
-
「ランピースキン病の発生」影響に関する相談窓口 福岡・熊本に設置 日本公庫2024年11月29日
-
シニアの外国語:その可能性【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月29日
-
東日本のカシノナガキクイムシの由来を遺伝情報により解明 森林総合研究所2024年11月29日
-
島根県大田市 三瓶山麓で有機米を初収穫 報告試食会を開催 三菱マヒンドラ農機2024年11月29日