乳酸菌「SBT2227」が睡眠を促進 名古屋大との協同研究で確認 雪印メグミルク2022年7月29日
雪印メグミルクは、名古屋大学と協同で、同社が保有する乳酸菌「Lactobacillus plantarum SBT2227」(SBT2227)が睡眠促進作用を有することをショウジョウバエを用いた研究で発見。7月15日に学術雑誌『iScience』で発表した。
研究の概要
睡眠不足とその蓄積である「睡眠負債」は、生活や仕事のパフォーマンスの低下、脳の働きの低下、糖尿病などの生活習慣病のリスクの増加など、心身に様々な悪影響を及ぼすことが知られている。また、日本人の睡眠時間は短い傾向にあるとされており、睡眠は社会的な関心の高い健康課題の一つとなっている。
同社は、2017年度に名古屋大学大学院理学研究科付属ニューロサイエンス研究センターに産学協同研究講座「栄養神経科学講座」を開設し、睡眠をはじめとする"脳や神経"に関する健康課題を解決するための研究を推進。その結果、単純、かつヒトと共通する多くの行動・分子機構を備えているショウジョウバエを用いた研究において、SBT2227を食べることで夜間開始時の睡眠量が増えること、寝入るまでの時間が短くなること、また、この効果は菌を加熱や破砕しても消失しないことを見出した。
さらにこの効果には、哺乳類の神経系に広く存在する「神経ペプチド」のNeuropeptide Y (NPY)と相同性を有するNeuropeptide F(NPF)の存在が必要であることを明らかにした。
今回の研究では、乳酸菌のひとつであるSBT2227が単独で睡眠促進作用を有すること、効果の作用機序には哺乳類に共通して存在する神経ペプチドが関与していること、およびその効果はSBT2227を加熱しても粉砕しても消失しないことを明らかにした。これらの結果は、SBT2227がヒトにおいても同様の効果を示す可能性があること、SBT2227が食品やサプリメント等への加工においても利用可能であることを示唆する。
ショウジョウバエの行動は単純なシステムで制御されているため、作用機序などの詳細な研究が可能。そこで、今後はショウジョウバエからヒトまで共通する睡眠の仕組みの解明、そこに対する乳酸菌の作用の解明も期待される。さらに、消費者の睡眠ニーズを満たす商品の実用化による社会課題の解決への貢献も期待される。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ダイズ、野菜類、花き類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年9月19日
-
農業土木・鳥獣対策でプロフェッショナル型キャリア採用 課長級の即戦力を募集 神戸市2025年9月19日
-
(453)「闇」の復権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月19日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」熊本市で27日に開催2025年9月19日
-
「長崎県産和牛フェア」東京・大阪の直営飲食店舗で開催 JA全農2025年9月19日
-
東京科学大学と包括連携協定を締結 農研機構2025年9月19日
-
素材のおいしさ大切に 農協シリーズ「信州あづみ野のむヨーグルト」など新発売 協同乳業2025年9月19日
-
オートノマス水素燃料電池トラクタを万博で初披露 クボタ2025年9月19日
-
農業用ビニールハウスの品質が評価「優秀FDI企業トップ20」などに選出 渡辺パイプベトナム2025年9月19日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2025年9月19日
-
宅配事業に新しい形「ナイトチア クロセチン&セラミド」など新発売 雪印メグミルク2025年9月19日
-
人生100年時代を応援 全年齢型傷害保険「100年保険」新発売 共栄火災海上保険2025年9月19日
-
亀田製菓「午後のつまみ種」キャラメルスナックでおやつ感アップ2025年9月19日
-
家庭菜園ブランド「UETE」に初心者も楽しめる「球根の栽培キット」新登場 タキイ種苗2025年9月19日
-
つなぐミライのタネ「ほっかいどう秋の大収穫祭」10月に開催 北海道2025年9月19日
-
イタリアと日本の協同組合が共同ワークショップ 関西万博会場で開催2025年9月19日
-
AIぶどう栽培の特許出願を完了 本格展開を開始 ノウタス2025年9月19日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日