抹茶の継続摂取で睡眠の質を向上 社会的認知機能の改善を確認 伊藤園2022年8月4日
伊藤園と筑波大学発ベンチャーの株式会社MCBIは共同で、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)と主観的認知機能低下(SCD)の高齢者を対象にした臨床試験「抹茶の認知機能低下抑制効果を評価する試験」を実施。抹茶を継続摂取することで睡眠の質向上と社会的認知機能の改善を確認した。
抹茶は古くから日本国内において親しまれてきたが、その成分「テアニン」にはストレス緩和、睡眠改善、さらにはワーキングメモリーの改善などの効果がある。また、「カテキン」には、血中コレステロールの低下、体脂肪の低下、さらにはワーキングメモリーの改善などの効果があると報告されている。抹茶の短期間の摂取効果として、中高齢者の「注意力」および「判断力の精度」を高めることも報告されている。
同臨床試験では、抹茶の長期摂取の介入前後に、試験参加者への認知機能検査、血中バイオマーカー測定、血中動態分析、脳イメージング(fNIRS、アミロイドPET)、睡眠調査などを実施。抹茶の効果とバイオマーカーの変化を総合的に解析するために研究した。
臨床試験では、60歳から85歳の高齢者を中心とした939人を募集。認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)とプレクリニカル期にあたる主観的認知機能低下(SCD)と診断された99人の試験参加者を対象に実施。抹茶の長期摂取による認知機能等への影響を、二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験により検証した。
抹茶群では抹茶カプセル(1日あたり抹茶2g摂取)を12か月間摂取。また、プラセボ群では着色コーンスターチを充填したカプセルを用い、試験開始時から12か月までの各評価項目の変化を混合効果モデルにより統計的に検証した。
睡眠の質をピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いて評価した結果、抹茶群でPSQIスコアが低下し、睡眠の質が向上する傾向が示された(図・左)。認知機能に関しては、認知症やMCIのスクリーニング等に用いられる神経心理学的検査(MMSE-J、MoCA-J等)での得点で抹茶群とプラセボ群の間に差はみられなかったが、コグニトラックス検査(CNS Vital Signs日本語)による認知機能の領域別の評価では、抹茶群はプラセボ群に比較して、表情認知テストで表される社会的認知、具体的には顔表情からの感情知覚の精度が有意に改善することが確認された(図・右)。
共同研究チームは8月2日、この研究成果をサンディエゴ(アメリカ合衆国カリフォルニア州)で開かれた「アルツハイマー病協会国際会議(Alzheimer's Association International Conference:AAIC)2022」で発表した。
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