揚げ物に野菜サラダで口内さっぱり 油脂感低減効果を確認 キユーピー2022年9月5日
キユーピーは、揚げ物を食べる際に、野菜サラダを合間に口にすることで口内がさっぱりすることについて、科学的に解明するため試験を行った結果、野菜サラダによる口内の油脂感低減効果を確認した。中でも、キャベツやレタスには「油の剥離作用」があり、ドレッシングの添加でその作用が高まることが示唆された。この研究成果は8月24日~26日に開催された「日本食品科学工学会 第69回大会」で発表された。
グラフ1:実食シーンにおける油脂感低減効果
同試験では、はじめに、実食シーンにおける油脂感低減効果を検証。から揚げを連続で食べる場合と、野菜サラダを間に挟んで食べる場合について、口に残る油っぽさを評価した。その結果、から揚げを食べる前後に野菜サラダを食べると、口に残る油っぽさが有意に減少することが分かった(グラフ1)。
次に、その作用を解明するため、野菜サラダで主に使われるキャベツやレタスなどについて、油とのなじみやすさを評価する目的で界面張力試験を実施。サンプルは、キャベツとレタス、フレンチドレッシングとコールスロードレッシング、そして、各ドレッシングをそれぞれの野菜に添加したものを用意し、野菜はそれぞれ抽出液にして使用した。同試験において、界面張力はその値が「低い」ほど油となじみやすいため、口内に残った油がはがれやすくなる。
その結果、純水に比べ、大豆油に対するキャベツ液・レタス液の界面張力は、すべて有意に低下。そこへ、ドレッシングを添加すると、より効果が大きくなることが分かった(グラフ2、3)。
グラフ2:大豆油に対する界面張力:キャベツ液(コールスロードレッシング(左)、フレンチドレッシング)
グラフ3:大豆油に対する界面張力:レタス液(コールスロードレッシング(左)、フレンチドレッシング)
界面張力試験の結果、口内に残った油を剥離する作用が最も大きいのは、「ドレッシングを添加した野菜液」で、次に「野菜液のみ」、「純水」の順。以上のことから、キャベツやレタスには油の剥離作用があり、ドレッシングの添加でその作用が高まることが示唆された。これは、野菜に含まれる水溶性食物繊維やポリフェノール、ドレッシングに含まれる卵などの乳化素材が複合的に影響を与えているためと考えられる。
油の剥離作用が、油っぽさの低減に影響
さらに、先の油の剥離作用について、人が知覚できるレベルかどうか、追加で検証。から揚げを食べた後に、「野菜液」(キャベツ液・レタス液)のみ、もしくは「コールスロードレッシングを添加した野菜液」を摂取した場合の、口に残る油っぽさを評価した。その結果、飲料水に比べ、「キャベツ液」「レタス液」「コールスロードレッシングを添加したレタス液」で、油っぽさが有意に低下することが分かった。
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