昆虫タンパク質の市場規模 2027年に33億米ドル到達予測2022年9月27日
グローバルインフォメーションは9月21日、市場調査レポート「昆虫タンパク質の世界市場:昆虫の種類別 (コオロギ、バッタ、アリ、ミールワーム、ブラックソルジャーフライ、その他)・用途別 (食品・飲料、動物栄養、医薬品・化粧品)・流通チャネル別・地域別の将来予測 (2027年まで)」(MarketsandMarkets)の販売を開始した。
同レポートによると、昆虫タンパク質の市場規模は、2022年から年平均成長率(CAGR)33.4%で成長し、2027年には33億米ドルに達すると予測。人口の増加と、食糧・飼料需要への圧迫は、10年前から世界的な懸念事項となっている。世界人口の増加に伴い、食料のみならず飼料の需要も増加しており、食料生産量を70%増やすことが必要とされている。
牽引要因:研究開発および新興企業への投資の増加
昆虫タンパク質市場に参入している様々な企業が、事業の拡大と市場シェアの獲得を目的に戦略を練っている。業界参加者が採用する主な戦略には、新製品の発売、パートナーシップ、買収などがある。3月にGlobal Bugsは、Smart Vet Groupと提携し、丸焼きのコオロギとコオロギの粉末を含むペットフードやペット用サプリメント製品の処方と生産への注力を開始。また、2021年11月には、昆虫タンパク質企業のŸnsectが、Pure Simple True LLCと共同で、米国市場で犬用飼料の超高級・高級ブランドであるBernie'sを発売した。
抑制要因:微生物リスクとアレルギー反応
昆虫タンパク質の摂取は、人・動物ともに様々なアレルギーリスクを伴う可能性がある。昆虫タンパク質の使用は、研究の初期段階にあるため、未知のアレルギー性疾患や関連疾患のリスクが高く、治療も即座に対応することができない。昆虫食に伴うリスクには、重金属など化学物質の蓄積や微生物による汚染の可能性もある。
昆虫の中には、食事、吸入、直接接触、刺され、噛まれることによってアレルギー反応を引き起こすことが知られている。甲殻類などの分類学的に関連した食物アレルゲンや、ダニなどの吸入性アレルゲンとの交差反応も、昆虫を摂取した後に記録される有害反応の一因となる可能性がある。
市場機会:明確な規制と政府のサポート
昆虫タンパク質製品の消費と受容は、食感、味、外観などの要素に大きく左右される。様々な規制機関が、昆虫タンパク質の使用とその利点に関するガイドラインを消費者に提供するため、調査や研究を行っている。例えば、2021年に欧州委員会は、持続可能な食品を農場から食卓へ送り込む戦略において、昆虫養殖の重要な役割を認識。2021年7月に欧州連合は、最初の新規昆虫タンパク質、黄色のミールワームを承認し、欧州市場に導入した。これらの規制上の受け入れと承認は、市場の参加者に有利な成長機会を提供することが予測される。
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