秋田で「半農半X」リモートワークで農業のお手伝いに挑戦 八峰町観光協会2022年10月14日
八峰町観光協会(秋田県山本郡八峰町)は、秋田県農林水産部農山村振興課から「あきた田園ライフ調査事業」を受託し、半農半X体験を実施。農林漁業の労働力不足を克服する一手として、都市部で在宅勤務する人や田舎暮らしを志向する人を対象に、八峰町で半農半Xを体験してもらい、両立可能な働き方や所得確保の仕組みについて調査する。実施期間は12月3日まで。
半農半Xで農家の作業を体験
「半農半X」は、田舎に滞在しながら自分の仕事(本業)をリモートワークで継続しながら、農林漁業などの副業でも収入を得る働き方。半農半Xは2020年3月に閣議決定された農林水産省「食料・農業・農村基本計画」に盛り込まれ、農村を支える新たな活力の創出や、多様な農への関わりが期待される。
秋田県では自分の仕事と農林漁業を組み合わせた新しい兼業スタイル「あきた型半農半X」モデルの構築をめざし、令和3年度から調査事業を進めている。
八峰町観光協会はこれまで8組10人を受け入れ、今後さらに2人を迎える予定。東京都、神奈川県、愛知県、大阪府のほか秋田県内から応募があり、ITエンジニアやカメラマン、モデル、セノグラファー、ギタリストなど多岐に渡る職業の参加者が半農半Xを体験する。参加者には5万円を上限に交通費を助成し、リモートワークの拠点となる宿を提供。農林漁業のアルバイト代は受入先から支給される。参加者は、約3週間の滞在期間中、自分の仕事と農林漁業アルバイトをこなしながら、取り組みの様子を情報を発信する。
半農半Xで農家の作業を体験
参加者のなかには、単に働き手としてだけでなく、自らのスキルや経験で地域に貢献したいという人もいた。椎茸農家を哲だった参加者は、パック詰めされた椎茸のパッケージデザインを提案。また、冬にやってきた参加者は、田植えも手伝いたいと、半年後に再訪するなど、体験終了後も参加者と農家がSNSでつながっている様子がうかがえる。
新型コロナウイルスの影響で、フルリモートで勤務するスタイルが加速。居住地と働く場所が同じである必要がなくなり、地方に拠り所を求める「移業」の流れがある。世界自然遺産白神山地の麓に位置する秋田県八峰町は、美しい田園風景や懐かしい漁村の景色が残されており、半農半Xなライフスタイルを体験する十分な環境がある。同協会は今後、都市のニーズと地方の課題を丁寧にマッチングさせることで、まちの景観維持と心豊かな暮らしづくりにつなげていく。
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