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シンガポール食品庁から鶏卵農場建設の基本認可取得 イセ・フーズ・ホールディングス2022年10月26日

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イセ・フーズ・ホールディングス(IFH)は10月25日、シンガポール食品庁(SFA)から、鶏卵農場を建設するための土地の基本認可を取得したことを発表した。この施設は、種鶏場、孵化場、採卵農場からなるIFHの最新鋭の総合卵生産施設(インテグレーションシステム)として、シンガポール初の開発案件。2023年第1四半期から段階的に開発され、採卵農場(約10ha)は2024年に操業開始を予定している。

導入予定の卵の自動格納庫導入予定の卵の自動格納庫

インテグレーションシステムには種鶏場、孵化場が含まれ、IFHは卵生産の重要な投入物である初生びなの供給を自給自足できるようになる。完全稼動時には、年間3億6000万個の卵と最大500万羽のひなを生産する能力を持ち、シンガポールの鶏卵産業の生産能力を、現在の約30%から約半分まで高めることができる。

この採卵農場では、人工知能(AI)、IoT(Internet of Things)、ビジュアル分析検査を活用し、採卵農場運営のインテリジェント・コネクティビティの実現を予定している。

また、シンガポール国立大学(NUS)と共同で、独自の最先端技術を開発し、職場環境の改善を視野に入れた24時間体制のライブ遠隔監視システムを構築。AIによる画像認識技術を導入し、鶏舎内の環境や鶏の臨床症状を人手を介さずにリアルタイムで検出する。鶏舎内の環境を最適な状態に維持するだけでなく、鶏に異常症状が検知された場合、獣医師に通知され、迅速に治療を受けられる体制を整えている。

多くの養鶏作業を自動化することで、より価値の高い業務に人員を優先的に配置することが可能になり、労働集約型の養鶏業における人手不足の解消に貢献。シンガポールにおけるハイテク産業の雇用を創出する。

IFHの新しい施設では、エネルギー効率を高め、より環境に優しい廃棄物管理を採用することで、持続可能性を高めるための措置を講じる。特に、「二酸化炭素排出量ゼロ」「高品質の肥料」「化石燃料の使用量削減」「水のリサイクルシステム」などに重点を置く予定。さらに、再生可能エネルギーの利用、センサー付きの省エネ照明器具による過剰な電力使用の削減、空調の必要性を減らす自然換気なども視野に入れている。

今回の取り組みについて、イセ・フーズ・ホールディングスの吉川月乃CEOは「世界的な課題である飼料の安定確保については、日本国内で安全・安心で高品質な飼料用穀物および食用穀物類の生産とそれらに付随する設備に関する研究開発を、大学の研究機関と連携して進めている。これらの成果物は、シンガポールへの輸出および日本国内における供給を第一段階として計画している。持続可能な食の安全保障を目指し、シンガポール、日本両国に貢献できるよう、また、これらのプロジェクトを通して世界の農業にイノベーションを起こせるよう、頑張りたい」とコメント。また、シンガポールのグレース・フー持続可能性・環境大臣/コー・ポー・クーン上級国務大臣は「昨年9月のSFAとIFHのMOU締結以来、IFHが農場のレイアウト、プロセスフロー、農場管理手順についてSFAから基本的な承認を得て大きく前進した。2024年の生産施設オープンを楽しみにしている」と話している。

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