低アレルゲン化した鶏卵の早期摂取 乳児の卵アレルギー予防を示唆 キユーピー2022年11月15日
キユーピーが、藤田医科大学ばんたね病院の小児科医師、近藤康人教授と取り組む卵アレルギーの予防に関する共同研究で、低アレルゲン化した鶏卵粉末を用いることで、"安全に"卵アレルギーを予防する可能性が示された。この研究成果は11月12日~13日に開かれた「第59回 日本小児アレルギー学会 学術大会」で発表された。
グラフ1:卵アレルギー発症率(加熱全卵粉末摂取群と低アレルゲン化鶏卵粉末摂取群の比較)
これまで、乳児の卵アレルギーを予防するために、生後7~8か月以降から卵を摂取することが推奨されてきたが、厚生労働省が公表している「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」では、「5~6か月」へと変更になり、海外でも卵の早期摂取の動きが広がっている。ただ、早期摂取で重篤なアレルギー症状を発症する有害事象も見受けられることから、より「安全な予防」が求められている。そこで、「加熱全卵粉末」と比較して、オボムコイドを減量した「低アレルゲン化鶏卵粉末」でも同様の予防効果が期待できないか、経口負荷試験を行った。
一般的に、アトピー性皮膚炎の乳児は、卵アレルギーの発症率が高いとされている。そこで、生後3~4か月でアトピー性皮膚炎と診断された乳児19人を対象に試験を実施。無作為に、「加熱全卵粉末摂取群」(10人)と、「低アレルゲン化鶏卵粉末摂取群」(9人)の2群に分け、生後6か月から二重盲検下でそれぞれ摂取を開始した(全卵0.2g相当)。生後9か月で摂取量を増やし(全卵1.1g相当)、生後12か月時点で全卵30gに相当する量を摂取させ、卵アレルギーの発症率を比較した。
その結果、卵アレルギーを発症した乳児は、「加熱全卵粉末摂取群」で1例、「低アレルゲン化鶏卵粉末摂取群」で2例となり、鶏卵未摂取の発症率38%と比較しても低く抑えられていることが分かりった(グラフ1参照)。また、アレルギーを引き起こす抗体とされる「IgE抗体」の値についても、2群間で大きな差異は確認できなかった(グラフ2参照)。さらに、両群共に有害事象が発生しなかったことを考慮すると、低アレルゲン化した鶏卵を用いれば、安全に卵アレルギーの発症を予防できる可能性が示された。
グラフ2:卵アレルゲンに対するアレルギー抗体の変化(加熱全卵粉末摂取群と低アレルゲン化鶏卵粉末摂取群の比較)
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