農地が持つ洪水発生の抑制機能は流域全体へ 流域治水の実現に貢献 東京都立大2022年11月18日
東京都立大学大学院 都市環境科学研究科の大澤剛士准教授は、東京都と神奈川県を中心とした関東地域における複数の流域および市町村を単位に、洪水被害の発生頻度と土地利用の関係を検討し、特定の立地にある農地は形態に関わらず、洪水の発生抑制に貢献している可能性を示した。
研究対象の流域および市町村。
東京都、神奈川県にまたがる64の流域および、流域に含まれる212市町村を対象とした
気候変動の影響などによって甚大化する水災害に対応するため、河川域にとどまらず、雨水が河川に流入する"集水域"から河川等の氾濫により浸水が想定される"氾濫域"を含めて一つの流域と捉え、流域に関わるあらゆる関係者が水災害対策に取り組む「流域治水」という考え方が広がりつつある。これを実現するための一つの要素として、農林水産省が提示する「農業・農村の有する多面的機能」にも含まれる、農地が持つ防災・減災機能への期待が高まっている。
大澤准教授は、東京都と神奈川県を中心とした関東地域における複数の流域および市町村を単位に、洪水被害の発生頻度と土地利用の関係を検討し、特定立地に存在する農地は水田、乾燥畑といった形態に関わらず、洪水の発生抑制に貢献している可能性を示した。さらに、簡単な数値シミュレーションを実施することで、農地が持つ洪水の発生抑制効果は、流域を単位にすることで、より高くなる可能性を示した。
このことは、同一流域内においては、中山間地など、都市域から遠く離れた場所に立地する農地であっても市街地における水災害の発生抑制に貢献していることを示唆。水災害に強い土地利用を考える上で重要な指針になる。
同研究成果は、11月15日付けで、ELSEVIERが発行する英文誌『International Journal of Disaster Risk Reduction』に発表された。また、同研究は、環境研究総合推進費2G-2201「適応の効果と限界を考慮した地域別気候変動適応策立案支援システムの開発」の助成を受けて実施された。
重要な記事
最新の記事
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
利用者が講師に オンラインで「手前みそお披露目会」開催 パルシステム東京2025年9月18日
-
福島県に「コメリハード&グリーン船引店」10月1日に新規開店2025年9月18日
-
鳥インフル 米モンタナ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年9月18日
-
昔ながらの醤油づくり タイヘイとの「提携50周年記念丸大豆醤油セット」予約開始 生活クラブ2025年9月18日
-
フェイガーとfarmo 持続可能な農業の実現に向け業務提携2025年9月18日
-
スマート農作業代行サービス共同購入サイト「アグリポン」運営開始 オプティム2025年9月18日
-
シリーズBで総額1億円を調達 新たな流通インフラ「ジャスタウェイ」の開発を加速 テラスマイル2025年9月18日
-
「くみまち構想」情報集約サイト『くみまち.com』スタート カインズ2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(2)病理検査で家畜を守る 研究開発室 中村素直さん2025年9月17日
-
9月最需要期の生乳需給 北海道増産で混乱回避2025年9月17日
-
営農指導員 経営分析でスキルアップ JA上伊那【JA営農・経済フォーラム】(2)2025年9月17日
-
能登に一度は行きまっし 【小松泰信・地方の眼力】2025年9月17日