地域活性化ビジネスモデル育成へ「ゆう幸」へ出資 アグリビジネス投資育成2022年12月8日
アグリビジネス投資育成株式会社は12月7日、「くら吉」ブランドで高級菓子を製造販売する株式会社ゆう幸に出資したことを発表した。
ゆう幸は、2011年に秋田県で創業。和菓子業界では若い企業だが、創業者の佐々木幸生氏の下、地域の農産品にスポットライトをあてた独自の商品開発に取り組み、人口集中圏で感度の高い顧客に向けて店舗を展開している。また、300年を超えるルーツを持つ和栗「善兵衛栗」、食用ほおずき「コアニスイーツホオズキ」、秋田県産ラズベリー「あきたフランボワーズミニョンヌ」の農商工連携事業計画の認定を3回受け、地域素材を生かした創作菓子を、職人による丁寧な手仕事で製造。連携する生産者の所得向上を通じ、持続可能な生産と消費のシステム構築をめざし、SDGsにもつながる事業を展開している。
同社は、今回調達した資金を活用し、これまで培った製品開発力と独自の希少農産品の入手ルートを活かし、地域農産品の開発力を強化。また、成長に向けた地域の人材採用、人的投資を拡大し、地域に基盤を置きながら大消費地に向けた高付加価値の高級菓子にフォーカスした食農バリューチェーンを創生する。
アグリビジネス投資育成は2002年10月の設立以来、農業法人の財務、経営、事業を支援するため、600社を超える同法人への投資育成事業を行ってきた。2月には拡大改正された「農林漁業法人等への投資の円滑化に関する特別措置法」に基づき、投資対象とする事業領域を漁業・林業法人、国内外の「食のバリューチェーン」に参加する広範な企業、ベンチャーに拡大。今回の出資は、この事業領域の拡大を受けて行なわれた。
ゆう幸の商品は、素材の仕入れにおいても価値に見合った安定した購入を可能とし、連携する生産者の所得向上につながっている。アグリビジネス投資育成は、これらのビジネスモデルを経営として実現する製品開発力やゆう幸の佐々木幸生会長のリーダーシップを評価し投資を決めた。
また、アグリビジネス投資育成は今後、幅広い既存投資先とのネットワーク、株主の日本政策金融公庫、農林中央金庫などの系統組織とのネットワークを活用。同件に続き、各地で地域活性化に取り組む事業体をサポートしていく。
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