国内希少野生動植物種「スイゲンゼニタナゴ」新しい調査手法を開発 岡山大学×農研機構2022年12月23日
岡山大学と農研機構の共同研究グループは、種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されているスイゲンゼニタナゴの環境DNA検出法の開発に成功。この成果は、スイゲンゼニタナゴの最新の生息状況を簡便ながらも高い精度で評価することを可能にし、新たな生息地の発見につながることも期待される。
淡水魚のスイゲンゼニタナゴは、種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されている。早急な保全策が必要とされ、国内希少野生動植物種に指定される魚類はわずかに10種のみ。河川や農業水路の環境水中には、生息している生物から糞や粘液などが排出されるが、その生物に由来する環境DNAが含まれている。同研究では、環境DNA分析によってスイゲンゼニタナゴの生息の有無を推定できる新たな調査手法の開発に初めて成功した。
スイゲンゼニタナゴのオス(左上)とメス(左下)。
タナゴ類は二枚貝の体内に卵を産むというユニークな繁殖生態を有する(右)
環境DNA分析における調査は採水のみで済むため、たも網などの漁具を用いる従来の魚類調査法に比べ、スイゲンゼニタナゴの分布調査を魚にダメージを与えることなく短時間で効率的に進めることが可能。今回開発された手法で調査することで、スイゲンゼニタナゴの生息状況を効率的にモニタリングでき、スイゲンゼニタナゴの新たな生息地の発見にもつながることが期待される。
同研究成果は11月23日、国際学術誌『Landscapeand Ecological Engineering』電子版・特集号「Environmental DNA as a Practical Tool for Aquatic Conservation and Restoration」に掲載された。
なお、同研究は岡山大学大学院環境生命科学研究科博士前期課程大学院生(当時)の大槻華乃子さん(応用生態工学)(現・株式会社カイハツ)、同学術研究院環境生命科学学域(工)の中田和義教授(保全生態学)、同学術研究院自然科学学域(牛窓臨海実験所)の濱田麻友子准教授(進化・ゲノム生物学)と坂本竜哉教授(総合水圏生物学)、農研機構の小出水規行セグメントIV理事室長(農村生態工学)による共同研究グループで行なわれた。
重要な記事
最新の記事
-
JA熊本経済連が1000トン落札 政府備蓄米 「価格下がっても500円前後か」2025年3月12日
-
JAさがは2回目も入札 政府備蓄米放出 「今年は米騒動起こさぬため」2025年3月12日
-
政府備蓄米、入札量の9割落札 JA福井県 価格低下は限定的か2025年3月12日
-
意思決定と女性参画【小松泰信・地方の眼力】2025年3月12日
-
シロアリ防除剤「メタミサルト」、蛍光性能で薬剤の存在を可視化 最速で業界トップシェア目指す ZMクロッププロテクション2025年3月12日
-
こども食堂で富山県産牛乳の体験ミルク教室を開催 JA全農とやま2025年3月12日
-
岐阜県産イチゴのイベント「ぎふのいちごおやつマルシェ」を開催 県内17の菓子店が集結 JA全農岐阜2025年3月12日
-
農協シリーズからモナカアイス「北海道ミルク」「京都宇治抹茶」新登場 JA全農2025年3月12日
-
「いわて純情米」アンバサダーにエンゼルス菊池雄星 投手が就任 JA全農いわて2025年3月12日
-
黄金の郷のこだわり りんごとトマト、丸搾りのジュースに JAいわて平泉(岩手県)2025年3月12日
-
特産のゆずがドロップに 鼻に抜ける甘酸っぱい香り JA神奈川つくい(神奈川県)2025年3月12日
-
ハマササゲの耐塩性機構が明らかに 作物の耐塩性開発に期待 農研機構2025年3月12日
-
青りんごが赤くなる不思議 眠りから覚めた遺伝子が果皮の色を変えるメカニズム判明 千葉大学2025年3月12日
-
植物栽培の生理生態情報定量的を可視化 高知大学IoP共創センターと共同研究開始 welzo2025年3月12日
-
家庭用油脂製品7%~15%の値上げ 油脂製品を価格改定 J-オイルミルズ2025年3月12日
-
グリーンコープ生協みやざき「笑顔つながるこだわりマルシェ」都城で15日に開催2025年3月12日
-
三重県カンキツ生産者研修会開く 高品質安定生産、日焼け対策などを報告 三重県園芸振興協会2025年3月12日
-
「健康経営銘柄」3年連続選定「健康経営優良法人~ホワイト500~」は9年連続認定 明治HD2025年3月12日
-
「健康経営優良法人2025」認定を取得 ヤンマー2025年3月12日
-
令和6年度省エネ月間四国地区表彰にて「四国経済産業局長表彰」受賞 井関農機2025年3月12日