新潟市の花木生産農家が「事業承継マッチングプラットフォーム」で後継者を募集 リレイ2023年1月19日
新潟県新潟市の花木生産農家「佐藤香樹園」は、「事業承継マッチングプラットフォームrelay(リレイ)」で後継者を募集している。
信濃川の河川舟運で栄え、江戸時代は長岡船道の船着場があった小須戸(新潟市秋葉区)は、現在も町屋など古くからの街並みが多く残る。その小須戸で60年以上にわたって花木の生産と卸を行なってきた花木生産農家の佐藤香樹園は、このほど、代表の佐藤さんが、高齢を理由に事業を引き継いでくれる人を募集している。
JR信越本線の矢代田駅から車で約6分のところにある佐藤香樹園は、燕市に至る県道127号に面しており、あたりはのどかな田園風景が広がる。佐藤さんの祖父が開業し、子へ孫へと3代に渡って引き継がれ、現在は花木の生産と卸を行なっている。約1ヘクタールの敷地に11棟のビニールハウスが立ち並び、主に薔薇、菊、柑橘類などを生産。ハウスの中には暖房設備なども整えており、11棟のハウスと除草剤を撒くための散布機の譲渡が可能だ。
近年のガーデニングブームで花木の需要はあるが、後継者不足により佐藤さんの同業者も廃業する人が跡を断たない。佐藤さんは「同業者の中には、減反政策で米農家から花産業に転換した人が多数いるが、高齢で世代交代の時期を迎えている。あと5、6年もすれば花木生産農家の数は大幅に減るでしょう」と話す。
一方で、花木生産農家の数が少なくなることで、デメリットだけでなくメリットもあるという。「数が減ると生産性は低下するが、農家同士が手を組んで組織化するなどして、大規模生産に乗り出すことも可能。今後どのように発展させるかは後継者次第。若い力で業界全体を盛り立ててほしい」と佐藤さん。新潟県内で南方の果物などを育てている農家が大きな収益を上げていることが話題になっており、佐藤さんも、デコポンやレモン、インカナッツなどの花木を栽培。今後、さらに大きく飛躍する可能性を秘めている。
佐藤さんは「実験的にナッツの栽培にチャレンジしたり、ヨーロッパの春野菜としても知られるアーティチョークなども栽培している。どれも、順調に育っていく姿を見ることがすごく楽しい。興味がある人にとっては、とても楽しい仕事だと思いますよ」と話している。
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