シカの個体数削減にメスの捕獲が効果的 森林総合研究所2023年2月21日
森林研究・整備機構森林総合研究所九州支所らの研究グループは、ニホンジカの個体数をより効果的に減らすため、メスを捕獲することが効果的であることを実証した。
過剰に増えたシカ類による生態系への影響や植林地への被害は、日本に限らず世界的な問題となっている。個体数を減らす手段の1つが捕獲することで、理論的には仔を産むメスを捕獲すれば、より効果的に個体数を減らすことができるとされてきたが、それを実証した研究はほとんどなかった。
同研究では、福岡県内で広域的に調べられてきたシカの個体数データと捕獲の統計データを基に、メス(ただし角の無い幼獣オスを含む可能性がある)の捕獲割合が高い地域では確かに個体数が減少傾向にあることを明らかにした。同研究の結果は、シカ個体数を減少させるためには、メスを捕獲することが効果的であることを示している。
シカを捕獲すると報奨金が支払われているが、多くの自治体ではその金額に雌雄差がない。メス捕獲に対して報奨金を増加するなどのインセンティブを加えることにより、より効果的に個体数を減らせる可能性がある。
同研究成果は2022年11月3日、『Biology』誌でオンライン公開された。
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