熱帯雨林樹木の葉脈構造とその機能を解明 国際農研2023年3月14日
国際農研は、高知大学、マレーシア サラワク森林局と共同で、熱帯雨林樹木の葉脈構造とその機能を解明。マレーシア熱帯雨林樹木の葉脈の構造が、葉の丈夫さと光合成能力に密接に関係していることを明らかにした。
マレーシアの熱帯雨林(左)と林冠調査の梯子
国際農研では、熱帯林樹木の環境への適応能力を評価し、植林地の環境に適した樹種の組合せにより、林業生産力と環境適応性を強化する造林技術の開発に取り組んでいる。
昆虫や草食性の動物等、葉を食べる植食者と光は地面から林冠方向に向かって増加するため、樹木は樹高とともに葉を丈夫にする必要があり、高い光合成能力を持つ方が有利になる。葉は、葉脈の周囲に透明な繊維質の組織を持ち、光に透かすと葉脈が明瞭に見える葉(異圧葉)と、この組織がなく葉脈が見えにくい葉(等圧葉)があり、樹種によって決まる。
異圧葉は、繊維質の組織を持つため丈夫でありながら、葉内に光が透過しやすく葉全体の光合成能力が高くなると考えられる。これは、異圧葉を持つ樹木は、高い光合成と葉の防御力の両者を備えており、林冠のように明るく被食圧が高い環境で有利な樹木といえる。
一方、等圧葉は、繊維質の組織の代わりに葉緑体を持つ細胞を隙間無く配置し、弱い光を効率的に利用できるため、森林の地表付近の暗い環境で有利になる。
環境適応性を強化する造林では、植林地の環境に適した樹種の選定が重要であり、葉脈構造の理解によって、多様な熱帯雨林樹種の中から環境に適した樹種の選定や、樹種の機能的特性を考慮した植林の実施が期待される。
同研究の成果は、科学雑誌『Frontiers in Forests and Global Change』(日本時間2022年11月9日)に掲載された。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲にイネカメムシ 県南部で多発のおそれ 栃木県2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【公明党】米政策が農政の柱 谷合正明参議院議員2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【日本維新の会】農業者への直接支払い実現を 池畑浩太朗衆議院議員2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【国民民主党】食料安全保障基礎支払いの創設めざす 舟山康江参議院議員2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【社民党】ミサイルよりコメを! 福島みずほ党首(参議院議員)2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【参政党】10年以内に自給率を倍増 神谷宗幣代表(参議院議員)2025年7月9日
-
【第46回農協人文化賞】地域ブランドつなぐ 営農経済部門・福岡県・にじ農協組合長 右田英訓氏2025年7月9日
-
【第46回農協人文化賞】「不易流行」で農支援 営農経済部門・熊本県・球磨地域農協組合長 福田勝徳氏2025年7月9日
-
【第46回農協人文化賞】人とのつながり糧に 営農経済部門・長野県・グリーン長野農協元組合長 竹内守雄氏2025年7月9日
-
「不幸の書簡」とストックホルム症候群【小松泰信・地方の眼力】2025年7月9日
-
【アンパンマンはなぜ生まれたか】 ノンフィクション作家・梯久美子さん 第46回農協人文化賞特別講演2025年7月9日
-
7月21日、広島でトラクターデモ 令和の百姓一揆 欧米並みの所得補償求め2025年7月9日
-
【人事異動】農水省(7月10日付)2025年7月9日
-
【JA人事】JA上士幌町(北海道)高橋昭博組合長を再任(6月6日)2025年7月9日
-
【JA人事】JA筑前あさくら(福岡県)熊本廣文組合長を再任(6月26日)2025年7月9日
-
【JA人事】JAグリーン近江(滋賀県)大林茂松組合長を再任(6月21日)2025年7月9日
-
【JA人事】JA新得町(北海道) 組合長に太田眞弘氏を再任2025年7月9日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」鳴戸部屋で兵庫の食材使用「ちゃんこ」を堪能 JAタウン2025年7月9日
-
健診施設機能評価認定更新 JA熊本厚生連2025年7月9日
-
JA鹿本のグリーンハウスミカン出荷順調 7月中下旬ピーク、総量130トン見込み2025年7月9日