サプライチェーン全体の情報を可視化「トレーサビリティプラットフォーム」で農産品の輸出実証2023年3月31日
Wismettacフーズとヤマト運輸は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において、国内外で流通する荷物の位置情報や温度推移などの輸送関連情報をリアルタイムに可視化する「トレーサビリティプラットフォーム」を活用した、農産品を輸出する実証実験を実施した。
Wismettacフーズは、日本の高品質な農産物を世界に広めるため、鮮度・品質を一定に保つための輸送環境の整備や、海外の規制遵守など、様々な障壁への対応を進めている。両社は、2021年7月から、農産品の位置情報や温度推移、輸送中の衝撃などをリアルタイムに測定し、品質を管理しながら輸送する、食品トレーサビリティ規則に対応した実証実験を実施。また、「フードチェーン情報公表JAS」の制定に向けた規格原案を提出するための輸出実証を行うなど、日本の農産品の高付加価値化に向けた取り組みを進めている。
熊本県からシンガポール・香港にイチゴを輸出実証した際の運用フロー
今回の実証実験では、日本から米国、シンガポール、香港、タイ、台湾に、高品質なメロン、サツマイモ、イチゴ、リンゴなどをマルチモーダル輸送(陸・海・空)。リアルタイムに輸送中の温度や衝撃、位置情報などの関連情報を可視化・把握することで、温度などによる農産品の変色の未然防止や、食べ頃を考慮した輸送経路や時期の調整など、新たな付加価値を提供することが実証された。
九州から米国(ニューヨーク)にイチゴの輸出実証した際のトレーサビリティ情報
今回の実証実験の結果を踏まえ、日本の農産品のさらなる高付加価値化と輸出力強化につなげる。また、SIPのスマートフードチェーンコンソーシアムが推進する、フードチェーンにおける様々なデータを連携するプラットフォーム「Ukabis」との連携も検討する。
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