ニホンジカ 過去10万年の個体数増減を解明 森林総合研究所2023年4月5日
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所らの研究グループは、ニホンジカの歴史的な増減を推定した結果、現在のシカは過去10万年で最大あるいはそれに近い水準まで増加していることが明らかになった。
近年、シカによる深刻な農林業被害や生態系への影響が問題となっており、シカの捕獲(生息密度調整)が行われている。一方で、日本の在来種であるシカを根絶するのではなく、適正な目標を設定して管理する必要がある。
この目標を設定するには、現在のシカが本当に多過ぎるのか、また、多過ぎるならなぜそうなったのかを明らかにする必要がある。同研究では、日本の複数地域においてシカのサンプルを収集し、遺伝学的手法により過去10万年間の有効集団サイズ(繁殖に寄与した個体数)を世界で初めて推定。その結果、現在のシカは過去10万年間で最大、あるいはそれに近い水準まで増加していることがわかった。
また、シカが過去に大きく増えたタイミングの多くは、人間による捕獲圧が低下した時期と一致。一方、気温や降水量の変動やニホンオオカミの絶滅とは関係が明確ではなかった。
同研究の成果は、シカによる影響を許容範囲に収めるためには人間による継続的な捕獲が重要であることを歴史的な観点から示した点で、人間によるシカ管理の必要性を後押しするもの。
同研究成果は3月9日、『The Holocene』誌でオンライン公開された。
重要な記事
最新の記事
-
鶏卵 夏以降、生産回復し価格落ち着きか 需給見通し検討委2025年3月21日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】商品券ばらまきで馬脚 「苦しい日本に向かって『楽しい日本』を振りかざすヒラメ男の無神経」2025年3月21日
-
国際協同組合年2025で危機を好機に 日本共済協会が「IYC2025の意義」セミナー(1)2025年3月21日
-
国際協同組合年2025で危機を好機に 日本共済協会が「IYC2025の意義」セミナー(2)2025年3月21日
-
米輸出に意欲 担い手への新たな支援も 江藤農相2025年3月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国内供給を放置して進む輸入米と輸出米の危うさ2025年3月21日
-
【インタビュー】JA全農酪農部 深松聖也部長 結集力で日本の酪農を守る2025年3月21日
-
(427)卒業式:2日前と前日【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年3月21日
-
肉用鶏の衛生水準の向上等に関する検討会 中間取りまとめを公表 農水省2025年3月21日
-
個人番号の利用目的の変更 農林中金2025年3月21日
-
【Jミルク需給変動対策】初の155億円規模基金 非系統含む全酪農家、業者参加を2025年3月21日
-
みちのく産小麦使った喜多方ラーメン 特徴はもちもち感とコシの強さ JA会津よつば2025年3月21日
-
県産野菜、鍋で食べやすく れんこんのシャキシャキ感に合う上品なつゆの風味 JA全農いばらき2025年3月21日
-
日本の小粋な白ワイン 2023農民ドライ ココ・ファーム・ワイナリー2025年3月21日
-
環境配慮の理解が進んだ消費者は農産物に最大16%上乗せしても購入 NTTデータ経営研究所「環境配慮型食品に関する消費者調査」2025年3月21日
-
AIによるモモ樹の水ストレス画像診断技術を開発 適切なかん水判断を可能に 農研機構2025年3月21日
-
【役員人事】コメリ(3月16日付)2025年3月21日
-
【人事異動】コメリ(3月16日付)2025年3月21日
-
北海道赤平市産「ゆめぴりか」使用『アルファ化米』市の備蓄食に採択2025年3月21日
-
食品検査の省人化と品質管理強化を両立 X線検査機「XR76シリーズ」販売開始 アンリツ2025年3月21日