小笠原とハワイ間に未知の障壁 アナドリのDNA分析から隠された固有性が判明2023年4月12日
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所とリスボン大学などの研究グループは、広域分布種のアナドリのDNAを分析した結果、小笠原のアナドリは他国の集団とは85万年も前に分岐した固有性の高い集団であることがわかった。
同研究グループは、世界に広く分布しているアナドリのDNA分析を行った結果、小笠原諸島の低木林等で繁殖しているアナドリは、ハワイや大西洋に分布するアナドリとは約85万年前という古い時代に分岐した固有性の高い集団だとわかった。
また、ハワイの集団は隣にある小笠原よりもアメリカ大陸の向こう側の大西洋の集団と近縁であることが示された。
小笠原とハワイの間には海鳥の移動を阻むような地理的な障壁がないにもかかわらず、両地域の間では遺伝的な交流がないことから、そこには海鳥の移動を阻害する未知の障壁があるのかもしれない。
世界自然遺産地域である小笠原諸島では、固有種や希少種が進化や保全の上で注目されてきたが、今回の成果はアナドリのような広域に分布する普通種であっても、実は固有の歴史性を持つ可能性があることを示した。
この発見は、小笠原の自然が持つ世界自然遺産としての価値を高めるもの。アナドリのようないわゆる普通種も含めて生態系を保全することで、まだ発見されていない価値を維持していくことが可能となる。
同研究成果は、2月に『Scientific Reports』誌でオンライン公開された。
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