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廃業の酪農家「借金続けることは無理と判断」 東都生協が酪農・畜産支援へ集会 「生産者買い支えを」2023年4月24日

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かつてない危機に直面している日本の畜産・酪農の現状を理解して行動につなげようと、東都生活協同組合は4月22日、東京都内で集会「みんなde ミーティング」を開いた。生産者や消費者が一堂に会し、廃業した酪農家から「大きな借金をして続けるのは無理だと思い廃業を判断した」などと厳しい実情が報告された。集会では農畜産物を買って生産者を支援しようと呼びかける発言などが相次ぎ、危機打開に向けた声明文が読み上げられた。

東都生協 酪農ミーティング.jpgオンラインも併用して行われた東都生協の集会

集会はオンラインを併用して行われ、合わせて約300人が参加。はじめに東都生協産直生産者団体協議会の髙橋憲二会長が生産現場の現状を報告した。この中で髙橋会長は飼料価格高騰などで千葉県だけでも46戸の酪農家が離農したことに触れて、「コスト上昇分を価格に転嫁できない状況が続くと農家の経営はもちません。適正な価格形成が大変大事だと思います」と強調。さらに温暖化への対応など課題は多いとして、「今こそ生産者と消費者、国が力を合わせて持続可能な畜産、農業、社会に取り組むべきです」と訴えた。

このあと全国の生産者らがリレー報告を行った。この中で、2019年に酪農経営を継承した千葉北部酪農農業協同組合の鈴木耕太朗さんが、ウクライナ危機などによる牧草や電気料金の高騰に加え、施設の故障もあって大きな借金を背負って酪農を続けることは難しいと判断し、昨年11月で廃業した経緯を報告した。鈴木さんはそのうえで、「今この瞬間も先の見えない中で頑張っている方がいます。この問題を共有して乗り越えていければと思います」と訴えた。

また、埼玉県の養豚会社の社長は、以前は売り上げに占める飼料の割合は45%だったが今は65%に上がったうえ電気代も2倍以上となり、飼料を国産に切り替えるなどして対応していることを報告し、「みなさまに食べていただけるのが支援ですので、選んでいただけるとありがたい。顔の見えるみなさまとの交流がわれわれのモチベーションになるのでよろしくお願いします」と呼びかけた。

こうした報告を受けて会場の参加者からは、「廃業の話は大変ショックでした。生協として何ができるか真剣に考えるエネルギーに変えていきましょう」との声や、「海外の大量生産とは違った生産者のつくる農畜産物の価値を考えて買い支えよう」などと、農畜産物購入や交流などを通して生産者への支援を呼びかける意見が相次いだ。

集会では最後に、▽酪農・畜産の危機打開に向けて支援募金に取り組み、国に緊急対策の拡充を強く求める▽国産畜産物の安定供給に向けて、生産者が安定経営を維持できる制度作りを国に求めることなどを盛り込んだ声明文が読み上げられた。同生協は近くこの声明文を政府に提出することにしている。

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